中国では明日から清明節という祝日になります
ちなみに「チンミンジィ」と読むそうです
日本でいうお盆ですかね
先祖が眠る場所で酒盛りするそうです
だから思い出したわけではないのですが今日は母の命日です
病院の白い壁と弱まる心拍を刻む音が瞼の裏に焼き付いています
担当医の臨終に際した会釈に心ならず安堵した記憶があります
「もうここに来なくていいんだ」
入院中の母親の付き添いで田舎から祖母が付きっきりでした
甲斐甲斐しい親子の情景を想像して病室のドアを開けると
いつも二人で愚痴を言い合い
着地点の見えない喧嘩をして泣いていました
毎週土曜日に片道約1時間を掛けて病院に通ったのですが
これは看病を続ける祖母の息抜きが最大の目的でした
ただでさえネガティヴになるがんセンターの病室で
珍しい症例だったのか様々な治療が試され
何本ものスパゲッティに絡め取られたその体は
ベッドを起こすことさえ躊躇わせ
自分のことが何も出来なくなって行くことの苛立ちは
自分の母親にぶつけることで僕らの前では平静を保とうとしていたのでしょう
僕は病院の匂いが嫌いです
病室で母親と一緒に軽食を取ることも出来ないほどでした
入院するくらいならコロッと死んでしまいたいと未だに思っています
そして僕に向かって吐き出される愚痴
僕も祖母に何度「もう田舎に帰ったら?」と言い放ったことでしょう
結末は解りきっているのに時間は母と祖母を険悪にするだけで
何のための入院なのか
何に向かった治療なのか
皆が疲れ切っていました
3回忌の時に祖母が一人暮らす家に泊まったとき
父が激昂して僕と弟を連れて自宅にすぐ帰りました
もう来なくていい
そんなことを仄めかされたそうです
以来祖母とは一切連絡を取っていません
草葉の陰で母が何を思っているかはわかりません
勝手に想像することも失礼なことでしょう
母の命日は苦い思いを噛み締める日なんです