「演奏家」とは?
奏家というのはステージの上のスーパースターなのかどうか。
私は演奏家というのは偉大なる作曲家達が残した偉大なる作品に秘められたメッセージを聴衆に訴えかける「巫女」のような存在だと思っている。
演奏家が「自分」を主張するときは、その作品が不完全なときのみ。それ以外は演奏家の思いを主張する必要なんてない。
だってその素晴らしいメッセージは全て楽譜に書き込まれているのだから。しかしそのメッセージを読み取るには大変な努力がいる。
自分色に塗り替えてしまわないよう、丹念に、メッセージを読み解いていく。それが私たち演奏家の使命。
ハリボテな自分主義では、尊いメッセージは伝わらない。私は常に、作品に謙虚な演奏家でいたいと思う。