さてさて、今回はまたクルーズのお話です。これまでP&O、Fred Olsen クルーズラインを経験したのですが、今回はまとめて、アメリカ系の、プリンセス•クルーズ、クナードラインに乗って来ました。

今回のクルーズの仕事は、ダイアモンド•プリンセス、サン•プリンセスと、合計8日間という短い間に二つのラインに乗ったのですが、この旅はとても思い出に残るものとなりました。

二つのプリンセスは、今まで経験できなかった、日本クルーズを体験させてくれました。イギリスから横浜に飛び、そこから船に合流しました。今まではイギリス系の船で、英語しか船上で使ったことがなかったので、船上で日本語が話せることにかなり違和感を感じながらも、時差ぼけがひどかったため、キャビンに荷物を置くなり爆睡してしまいました。プリンセスクルーズでの初仕事はなんと、シアターでの演奏!シアターでの演奏は久しぶりだったので、緊張もありましたが、興奮の方が勝っていたと思います。プリンセスでの"show"は 2回で、一日に同じプログラムを繰り返します。今回は、私の自作曲、編曲も入れての楽しいプログラム。客席から ブラボー!の声を頂いたので、お客様に楽しんでもらえたのではと思います。

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美しい横浜港からのセイル・アウェイ。

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横浜港に停泊するダイアモンド・プリンセス。定員3800人の大型客船なだけあって、すごい迫力です。

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プリンセス・シアター ここでコンサートを行いました。

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開放感のある屋外シアター。


クルーズピアニストとしての仕事は、日常とは違った時間を楽しむことができるのですが、練習場所がない、またクルーズによってはたとえば二週間で6つの全く別なプログラムを演奏しないといけないという過酷な状況に置かれるので、自由時間も次のコンサートのことを考えると、あまりリラックスもできないのが現実です。また、船が揺れているときの演奏はきついものがあります。乗り物に弱い私にとっては、未だに慣れません…


一度ロンドンに戻り、そして次はサウスハンプトンからクナードライン、クイーン・ヴィクトリアに乗船。バルト海クルーズへ。


格式高いと有名なクナード客船というだけに、内装もとても豪華なものでした。クイーン・ヴィクトリアでは、クイーンズ・ルームという場所で、マチネリサイタルを行いました。合計4つのリサイタルをこなしましたが、大きな揺れもなかったため、落ち着いてひくことができました。ところが、コンサートで使うピアノは、リサイタル開始の30分前にしか弾けないということで、慣れる時間もありませんでした。そしてその貴重な時間も、前のダンスクラスの余波で何人かのカップルがステージで練習していたため、なかなか集中できずじまい… しょうがないので、朝4時起きで、人がいない時間を見計らい朝練を試みました。こんなに早くからの朝練は何年ぶりだったでしょう!



クイーンズ・ルームでのマチネコンサート



200年以上の歴史を持つ、サンクトペテルブルクのエルミタージュ


私にとってクルーズの仕事は、様々な国を訪れることができるだけでなく、様々な人との出会いがあり、それがもう一つの楽しみです。お客様との出会いはもちろん、他のゲストエンターテイナー(船の上で、ショーやレクチャーをする人達のことを言います。)との出会いもとても楽しいものです。今回の旅では、全世界で活躍するマジシャンの原大樹さん、アシスタントの福成麻衣さん、そしてロンドンでも何度かコンクール等でお会いした、ピアニストの カワムラ トモノ さんに出会いました。全く業種の違う人々と出会うのは、お話するだけでもわくわくし、自分の世界観が広がって行くような気がします。