もう14、5年前になりますかね。このおっさんのライブを観たのは。

確か、現在六本木のベルファーレがあるところにジャングル・ベースという
ライブ・ハウスがあって、そこでBobby Womack 大先生のライブを初体験。

最高でした。暑苦しい歌声に、いなたいバックの演奏。とにかく歌が巧い!
もうほんとあんだけ歌巧いんだから、レコーディングとか一発録りなんだろう
なって思ったほど。

しかし困ったことに、このおっさん喋るわ喋るわ。日本人が多い観客なの
のも構わず、もう隙あらばゴスペル教会の説教師のごとくプリーチしまくり!
しかも早口だし。もう全然わかりまへん状態。

この御方、もともとサム・クックのバックのギタリストだったりスタジオ・
ミュージシャンでもあるし、プロデューサーでもあるのです。ただのがなり
立てるオッサンではありません。もっともっと評価されてもよいと思うの
ですが。70年代~75年あたりのアルバムはどれもソウル名盤ばかりですよ。
泥臭いところと、モダンなコード感が絶妙なんですね。この人の作る曲はどれも。

とにかくどんな曲歌っても、演奏しても根底にあるゴスペル魂を忘れないところが
「ラスト・ソウルマン」と言われている所以です、っていうか自らそう呼んで
いるところが流石。

今日の映像は80年代、入ってからのものクルセイダーズのウィルトン・フェルダー
さんのソロ・アルバムに入っていてウィルトンさん名義でシングル・カットされた
といういわくつきの曲。こんな名曲を自分のアルバムに入れない気前の良さ!

歌詞の内容は、かつてチャートでナンバーワンになったこの俺。ツアーで各地を回り、
その土地土地のおねえちゃんに手を出し...でいまや落ちぶれかつての栄光が消え
つつあるけれども、そんな俺をお前だけは見捨てないでいてくれたぜ!どんなに
高みに上ろうとも、常にお前のことだけは見上げる(=尊敬する)ぜ!

「お前は俺には最後のおんな~」って山本譲二かっ! 

まさにザッツ演歌な歌詞世界。コテコテです。歌もね!

"No matter how high I get I'll still be looking up to you"

/ Wilton Felder & Bobby Womack & Altrinna Grayson



いやあ、やっぱ教会あがりのアフリカン・アメリカンには太刀打ちできないや。すげえ!