オバマ・米新大統領が選出されてからちょうど1週間がたちました。
今回の選挙は実質的にはブッシュ政権への国民投票だった側面が
強かったわけです。とにかく、奴を引きずり降ろさないと!ってことで
国民が一致団結したって感じですかね、ものすごくおおざっぱに言うと。
で、オバマさんも当選後のスピーチで「変革の時が来たのです!」
("A change has come to America!")と言ってましたね。
今日の1曲目はまさにその「変革」を訪れることを願ってやまなかった
公民権運動時代のアフリカン・アメリカンたちの思いが込められた
サム・クックの名曲です。
"A change is gonna come" Billy Preston
http://jp.youtube.com/watch?v=4CyDo1M_xsE
I was born by the river 俺は川べりで生まれたんだ
in a little tent ... 小さな小屋の中で…
という歌詞で始まるこの曲がリアリティーをもって歌われたのがおよそ
50年前のこと。ビリープレストン氏が歌うと、サム・クック氏による
原曲のクラッシーな感じが完全に失われ、なんとも能天気な明るい
曲に聞こえてしまうところが残念。でも、実はこういう田舎くさい、もっさい
演奏が最高に好きです。コーラスのハモリとか、うまか味です。
しかし、まさかこんなに早く「黒人」大統領が出現するとは…。
やっぱアメリカは侮れないなあ。
ところでこの映像のなんとも垢抜けないおっさん、ビリー・プレストン氏。
最近お亡くなりになりましたが、彼はなんと言っても5人目のビートルズ
といわれたお方です。「レット・イット・ビー」セッション関連のハモンド・
オルガンやフェンダー・ローズ・ピアノのいなたいフレーズは
すべて彼によるものです。
個人的に大好きなのがこの曲。ジョンの中でも一番かなあ。
"Don't let me down" The Beatles
http://jp.youtube.com/watch?v=-O7PnvVgQvA
最後の方に流れるピアノ・ソロが素晴らしいですね。しぶしぶ。
ここで、最近、読んだ本の中で最高に刺激的だったものをご紹介。
タイトルなげえ~。
「アメリカ人の半分はニューヨークの場所を知らない」町山智浩
(文藝春秋)1000円。
僕の心の師匠ですね。この方、TVブロスとかでもずーっと連載してますけど
アメリカ文化を語らせたら当代随一でしょう。まあ、とにかくアホなアメリカ
人のエピソードのてんこ盛り。アメリカ発の音楽、文学、映画の楽しみ方を
倍増させてくれる、暮らしにまったく役立たない雑学だけがどんどん
記憶の中に貯蔵されていきます。秋の夜長にお勧めの一冊。
さて、アメリカのホワイティーの中でも最も信頼のおけるばかちんを紹介。
80年代にマイケル・ジャクソンやマドンナのPVのパロディーで一躍有名
になったアル・ヤンコビック師匠です。彼の「アメリカ的なるもの」への批判
精神に最大級の賛辞を送りたいものです。ご本人も相当クレージーなお方
なのが素晴らしい!
曲は JB の "Living in America"「アメリカで生きていくこと」をパロった、
"Living with a herina"「ヘルニアを抱え、生きていくこと」です。
タイトル先行のネタですね。
まあ、とにかく腰痛持ちだと、アメリカだけじゃなくても生きていくのは辛そう
です。英語わかんなくても映像で楽しめます。全人類に向けた普遍的な
メッセージを師匠は歌い上げてるのですね。さすがだ。
"Living with a herina" Wierd Al Yankovic
http://jp.youtube.com/watch?v=hXozg2U_wss
あ、ちなみにこっちが元ネタ、じゃなくて原曲です。
"Living in America" James Brown
http://jp.youtube.com/watch?v=oHqUipinDyw
「ソウル・ファンク中間試験 : リスニング問題」
上の2曲の一番最後に流れる歌詞に注目して空欄を埋めなさい。(2点×2)
Jame Brown ; "I feel ( )!"
Al Yankovic ; "I feel ( )!"