何のために書くのか?このブログ。
答えるのは難しいのだけれど、先日、劇作家の鴻上尚司さんが
なかなか鋭いことをSPA!のコラムの中で書いていたので紹介。
「多くのブログは「世間」(=簡単に言って内輪ということ)に
向けてしか書かれていない。もっと「社会」(=自分とは何の
接点もないと思われるような人々が行き交う世界)に向けて
発信せよ...長い文章で...」みたいなことなんですけどね。
もし、このブログを見かけたことで誰かさんの音楽人生に新たな
彩りが加わる、そんなきっかけになればいいなあと思いつつも、
自分の好きなものについてあーだ、こーだ駄文を書き連ねている
だけじゃん。そんな自覚だけは常に持ちたいものです。
「ロックン・ロールに関して最もけしからんことは、ロックン・
ロールについて語ることだ」と思わず「語って」しまったキース
大先生ですよ。
言葉は無力だ!という事実すらも言葉で伝えるしかない、そんな
人間存在の根源的な矛盾を、かの大先生が意識的に述べている
わけなどもちろんなく、本人としてはいつものハードボイルドな感じで
決めたぜ!とご満悦のことでしょうね。ジャック・ダニエルのボトル片手に。
いやあ、なんとも愛すべき、死に損ないのおっさんです。
僕は熱心なスートンズの聴き手ではないのですが、80年代後半の
ソロ・アルバム"Talk Is Cheap"以降、もろにサザン・ソウル、もっと
言うとアル・グリーン、というかハイ・サウンドへの憧れを隠し切れない
キース大先生の楽曲は、「かなり許せる白人音楽」かなと思うのです。
なんか急にメジャーセブンスのコードとか多用しだしたりしてびっくり
したものです、当時は。こいつ進化している!って思いました。
この曲 slipping away もおそらく最初の歌いだしのコード2個分の
ところだけキースがなんか鼻歌で作って、後は当時サポートだった
キーボードのチャック・リーヴェルがコード変えたりアレンジ加えて
できたんじゃないかな、と勝手に推測しております。
3:50あたりからの slippin' away ~のリフレインのところが泣かせます。
ああ~、そのギターソロはしょぼいから辞めてくれ~。しかし、ドラムの
チャーリー・ワッツが超下手ウマで最高です。2拍目、4拍目でハイハット
抜く、例のドラミングがなんとも渋々でgood! ダリル・ジョーンズのベース
も唄っているなあ。こういうシンプルな曲調な方がかえってベース大変
なのに。
やっぱ、ストーンズはこういうブラック・ミュージックに憧れている感が
出まくっている曲が最高ですね。自分に無いものに一生懸命到達しよう
ともがく過程の中でこそ美しいものができる、そんな典型の気がします。
そんな大袈裟な話じゃないか...でも世の中にあふれる「等身大の」
「ありのままの自分」音楽よりは数百倍マシです。
突然辛口、すいまめーん。