東日本大震災で被災した福島原発事故による放射能漏れに不安感が募っている。どういったことに備えればよいのか。茨城県東海村の臨界事故で実際に救急治療にあたった前川和彦・東大名誉教授に聞いた。
前川教授は「核爆発ではなく、現在は放射能が含まれる霧が漂っている状態で、その霧が通りすぎるのを待つ。今の状態では、花粉症と同様の対応をとればよい」と指摘し、冷静な対応を求めている。
重要なのは、自治体や関係機関の指示に従い屋内に入り窓を閉め、外気をいれないようにすること。できるだけ肌を露出する部分を少なくし長袖、ゴーグルをつけることもよいという。
自らできる除染としては着衣はビニール袋にいれ封をする、シャワーを浴びることが有用という。
放射性物質の一つであるヨウソは甲状腺にとりこまれ、甲状腺ガンにかかるリスクが高まるため、予防的治療として安定ヨウソ剤を飲めば、ヨウソが甲状腺にとりこまれるのをブロックできる。前川教授は「できれば被曝より6時間前、被曝24時間以内に飲むのがよい。ただ、ヨウソを求めて外出したりするのは全く意味がない。チェルノブイリ事故で、被曝(ひばく)した子供が後に甲状腺ガンを発症した。40歳以下の場合、早急に飲むことが重要。なにより副作用もあるため、自治体や関係機関の指示に従うことだ」と話している。
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