東京電力福島第1原発の事故で、周辺で人体に悪影響を及ぼす放射線量が測定された。どうすれば被(ひ)曝(ばく)から身を守れるのか。対策をまとめた。



 被曝を避ける鉄則は、放射線の発生源である放射性物質からできるだけ遠く離れることだ。しかし、車で移動する避難者が集中すると道路が渋滞し、かえって被曝の危険が高まることがある。



 また、やみくもに逃げ出せばいいというわけでもない。漏れ出た放射線量によっては、避難よりも屋内にとどまる方が安全な場合もある。避難なのか、屋内での待機なのか。国が出す指示に注意したい。屋内待機の場合は家の窓を閉め、不要、不急の外出をしない。外気を取り込むエアコンや換気扇も使わない。



 最も怖いのは放射性物質を吸い込むことだ。避難途中ではぬれたタオルやマスクで口や鼻をふさぐ。体への付着を防ぐため、できるだけ露出を避け、気密性が高い雨具などを身に着ける。雨は放射線を高い濃度で含んでいる恐れがあるので、ぬれないように気を付ける。



 避難後はシャワーで体を洗い流し、着ていた服はポリ袋に入れて処分した方がいい。



 放射性物質のうち、体に取り込むと甲状腺がんの危険があるヨウ素は、非放射性のヨウ素剤を事前に飲めば体内への蓄積をある程度は防げる。ただヨウ素剤は副作用があるため、必ず専門家の指示に従って服用することが必要。ほかの放射性物質については被曝の影響を防ぐ医薬品はない。



 広島大学原爆放射線医科学研究所の星正治教授(放射線生物・生理学)は「今回の場合、爆発から2時間ぐらいすれば相当の放射性物質は減少しているとみられる。首都圏に住んでいる人は必要以上に反応する必要はない」と指摘。花粉症対策のように、マスクの着用やシャワーでの洗い流しの重要性を説く。



 原子炉物理が専門で技術評論家の桜井淳氏は「むしろ、恐怖感やトラウマによって、精神的に健康を損なうことの方が恐ろしい」と冷静な対応を求めている。

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