全国名人戦三回戦より黒滝沢九段ー白ぷふぁ鉢
白番



大阪で行われた全国名人戦に出場しました。

私の結果は五連勝スタートからの二連敗で5-2。順位はおそらく11位タイといったところでしょうか。うう

名人戦は一つ負けた地点で優勝争いから脱落してしまいます。一敗すると以降は対戦相手の緊張感も一気に変わってしまうので、6回戦まで前線で戦えた点はよかったです。

優勝は高梨九段。盤石の優勝といった様子でした。おめでとうございます。ブタネコ

私は高梨九段とは同じグループトーナメントに入り、一回戦から隣の席での対局。以降も近くの席での対局が続きました。 

隣で鳴り続ける全国の強豪達の断末魔。

「次あたり高梨九段と当たりそうだな。さぁこい!俺が奴を止めるんだ! 」

という自分を鼓舞する気持ちと

「イヤダ、アタリタクナイ!誰かやつを倒してよ。できればあんまり強くない人で…」

という気持の狭間で揺れる私の心。

焦らされに焦らされたあげく結局グループトーナメントの決勝まで高梨九段との対局が組まれることはなくグループ決勝で無事、ボロ雑巾のように引き裂かれたのでした。

彼からすると私はグループトーナメントのデザートというか、決勝トーナメントの前のオードブルというか、まぁそんなものだった事でしょう。

私にとって彼を含め勝つのが難しいなと感じる相手が何人かいるのですが、そのあたりと伍して戦えるようにならなければ優勝を狙うことは厳しそうです。(主に気持ち的な意味で…)

5月には京都オープン の後、広島の耐久戦。  なんと一日18局もあるらしいのですが、それにdice五段,newk九段,あるじょわ五段らと遠征する予定なので、そこでnewkさんあたりに勝てれば夏の全日本選手権、今年は出場しようかなと思います。

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問題図再掲 白番


さてこの局面ですが、私の暗記から外れた初手の局面。

定石は研究の段階できちんと読みを入れながら準備できるのが最良なのですが、現実には時間の制約や、そもそも自力で考えても打てない手を用意したりするため、定石から外れた瞬間は、一から読みを組み立てなければならない空白地帯となりがちです。そのため自力で作ってきた局面に比べ、悪手の出る事がかなり増えます。

そういうこともあり慎重に着手をしたのですが、やはり悪手を打ってしまいました。

実戦は初手白B5とうちました



以下黒C8白F1黒C1白B2と進み白にとって理想的な展開で勝勢となりました。
実戦図

黒はb2~F6のラインを切れずD8の手も消されて非常に厳しいです。

しかしこの展開を避ける手順が黒にはいくつかあり、例えば白B5にたいして黒D7などと受けられていれば黒がやや優勢だったようです。
白B5黒D7

ここで白F1黒C1白B2とした場合は黒は黒H6白H8黒G7と右下を捨ててラインを切る手があります。

よって問題局面では初手で直接白F1とするのが正解でした。


黒C1とってくれば白B2とラインを通します。


黒は次C8などと打ってしまうと白B7!ともう片方のラインまで通されて大差となってしまいます。
黒C8白B7


よって白B2に対してはやむを得ず黒はG2と先にラインを通しすしかありません。


白はB5からのライン切りが残っていて黒A7と左上を取られる手は生まれるものの白A6と打てば左辺は白のものとなり白優勢となるのでした。