
起床にドレスデンの日程を知った。ゼムパーオパーの新シーズンのプログラムである。新カペルマイスターになって、漸く新支配人の本格的新シーズンである。支配人は、グラーツではペトレンコの下でアシスタントをしていたオクサーナ・リニヴを迎えて成功したノラ・シュミットである。そうした事情からティーレマンを引き継ぐのはその音楽の流れを汲むリニヴと思っていたのだが、MeTooで空いていたガッティ登用となった。それにはシュターツカペレドレスデンという座付き楽団が別の組織となっている事情があった。
そのことが独語圏の中でも名門のオペラ劇場で一流の上演を難しくして来ていた。その事情は変わらないのだが、支配人に期待されているのは芸術的に価値のある制作で上演でしかなかった。ヴィーンの名門のように観光客相手の公演となるとその音楽劇場的な上演の水準低下を招いていたからだった。
さて今回カペルマイスターの十八番のヴェルディ最晩年の作「ファルスタッフ」の10月の新制作に続いて、12月にエンゲル指揮でアブラハムセン作曲「ザスノークイーン」が上演されることになった。新シーズンはミュンヘンでは振らないと知ったので、シュツッツガルト以外ではなにを振るのかと考えていたので、若干の予感はあった。
それでそこのプロフィールに書いてあるように協調作業の事始めのデビューであり、今後のプロジェクトがあると予想している。一つには支配人のグラーツでの仕事ぶりやベルン生まれのとなるとそのスイスコネクションだけでなく、そしてエンゲルにとってはドレスデンは音楽的な故郷であり、私も彼と最初にあったのはそこのノイシュタットだったのだ。要するに我々の仲間内のプロジェクトのようなものでもある。
なるほど、ミュンヘンに出かけることに比較すれば遠く、ベルリンともそれ程変わらないのだが、やはり街が小さいので目的地まで570kmほどで当日に入れる。新シーズンは二月に新制作公演もある600km先のハムブルクよりは遠い感じもするのだが、690km先のベルリンよりは遥かに往復しやすい。9月の音楽祭のプログラムもまだ発表されていない。
9月にはベルリンでペトレンコの翌々日ぐらいにエンゲルが振ったが、今年も12月初日の日曜日にミュンヘンではペトレンコがアカデミーコンサートでトリフォノフと共演する。この4月もフランクフルトのエンゲルとバーデンバーデンのペトレンコが重なる。これはなにも偶然ではなく、興行的に顔見世するのは同じ日時になるということで、分野が全く異なるので競演するという形は今後とも続くように思われる。21世紀前半の音楽芸術のメインイヴェンツである。
そこで、ドレスデンから踝を返して、ミュンヘンに向かう心算だ。前回はベルリンからイザールフィルハーモニーへとエンゲル指揮クラッツァー演出「メデューサの筏」の為にベルリンに滞在してフィルハーモニーでの定期演奏会の翌日だった。
12月であり旅程的にはそれ程確実性はないのだが、例年ならば雪のある時期ではないので、なんとかなるだろうと予想している。前回は9月の日曜日の早朝にベルリンからミュンヘンに向かったのでとても楽だった。寧ろ気になるのはドレスデンに時間通りに辿り着けるかどうかであろうか。
参照:
大喝采のそのゆくへ 2022-06-06 | 女
モンスターのパラダイス 2025-03-07 | 文化一般