クリスマスのミュンヘン行きの準備。主な目的はファミリー公演でのティテュス・エンゲル指揮フンパーティング作「ヘンゼルとグレーテル」である。指揮者のチョットした請負仕事にしか思えないのだが、裏を読んだ。エンゲルのバイロイトデビューが決まっているかどうかは確認していない、しかしこの公演でその方向性は分かると思う。2019年のエアル音楽祭での好評だった新制作「ローエングリン」を聴けていないので、どうしても聴いておきたかった。

その序に、並行上演中の新制作「ローエングリン」も聴いて来る。フランソワ―・ザヴィエロート指揮がどれ程叩かれるかは分からないのだが、万が一欠場となるとカヴァーに入るのではないかと思う。勿論そうなれば万時を排して駆けつけるつもりでいる。

既に書いたようにメリハリのない焦点の定まらない指揮での上演で立ち続けるのは厳しかった、だから追加で同価格の席を購入したのだった。嘗て一度だけ日本でハムブルクの歌劇場の引っ越し公演で経験したのだが、座り続けるのも厳しかったロマンティックオペラである。タイトルロールだけで全編に緊張感がもたらされるとも思わない。

こういうことになるとこちらも必要なお勉強に熱が入るので、更にその審美眼がより研ぎ澄まされる。だから余計に期待薄となっている。同じようにミュンヘンの常連さんが考えて安い席で気楽にとなると誰も高い席は買わない。皆通の人の考えることは同じなのである。値打ちを計算すれば自ずから選択は等しくなる。

「ヘンゼルとグレーテル」は初めてなのでお勉強する必要もあるが、音楽的な出来などよりも家族づれの雰囲気を観て来たいのだ。エンゲル自身の家族なども来るのだろうが、クリスマスに付き物のこの演目に出かける機会は中々なかったのでそれも嬉しい。早めに開演になって、早めに帰宅の路につけるのも助かる。

一泊して、三公演出かけれる様に計画した。だからクリスマスの買い物の為にも冷凍庫のありそうな80ユーロ程のアパートメントに宿泊して、燃料代等合わせて総額400ユーロを越える。

もう一つは、ミュンヒナーフィルハーモニカーの演奏会である。このベルリナーに次ぐ伝統のある交響楽団は実は聴いた覚えがないのである。更に最近は団員の若返りも出来ているようで、後任指揮者選出のへの期待も高まり、是非早めに判断してみたいと思っていた。

突然のゲルギーエフ解雇後に入った指揮者の面々に関心を持っていた。ネルソンズやホーニックが入って、その後も真面な指揮者が振っていないので前任者よりもマシな人がいたらと思っていたらケントナガノぐらいしかいなかったのである。ちょっと変わったプログラミングで上手く弱点の独墺音楽を掠めながら上手く外しているが、まあまあ売れている。リヒャルトシュトラウスやバッハの編曲ものならば勝負できるが、ヴァ―クナーとなると端から止めておいた方がよい。亡くなったアメリカ人ジェームス・レヴァインとは全く相性が良くなかったようだが、選考理由は理解できた。



参照:
「松風」からの向かい風 2022-11-18 | 文化一般
暮れないミュンヘン 2022-07-11 | 雑感