土曜日はクロンベルクからの生中継を流していた。新しいホールの杮落とし特番だった。17時15分から始まる最初のコンサートの前の15時過ぎには番組が始まった。凄い力の入れようだ。21時半前まで中継が続いた。HR文化波が直接関わっていた様ではないのだが、ホールの本体であるセミナーの録音などはアーカイヴとして大分持っているようで、今後もメディアパートナーとして活躍するのだろう。

そもそもこのアカデミーは弦楽それもチェロを中心とした演奏家を輩出したのでカザルスホールになったのだが、最近では日本ではミュンヘンで優勝した岡本が杮落としでも弾いたように成果であった ― 今回は弦を切ったらしいが。そしてソロを弾いたタメスティも卒業生となっている。今回はスイスで演奏拒否を受けたチェロの女の子なども出ている。

そのような塩梅で、アカデミ―に関わっていないとその演奏に接する機会も少なかったのだが、またそれ相応の専用ホールもなかったことも大きい。そこで今回の新会場となった。その目的からも、ソロの音響から室内管弦楽団の大きさまでを考えられて600人足らずのホールで多目的に使われる様に設計された。

新聞によるとその為にも壁を気が付かれずに材質など可変させることが出来るようで、杮落としでも大小の形態のアンサムブルで試されたのだろう。形状としては最終的にフォーラム型になったようで、室内楽の特性上聴衆と一体になってというのが諮られた結果らしい。その結果は、反射の壁を作るために遂に複雑な形になっている。目指すのは自然のドルビーサウンドだというからなるほどだ。更に上へと天井が嵩上げされて、舞台上の反射板が必要になった。

これ以上は現地視察してからしか語れないのだが、放送の音質も素晴らしく、そこで聴いた限りは残響もいい感じで広がって、なによりも舞台での反射の速度感が素晴らしいと思った。通奏低音はがっしりとしかし重くならずにごしごしと響きながら上声部ともしっくり合っている。とても現代的でありながら、肌触りのある音響は喜びの愛撫であって、とても魅力的だ。TVニュースを観ると、予約している座席からの音響がとても楽しみになる。

実はクロンベルクは先ごろ亡くなったご近所さんの里でそこでヴィクトリア女王の娘さんでプロイセン王妃の薬局の息子がいたので知っている。今回も亡くなったエリザベス女王との関係も語られていたが、所謂ザクセン王家の子孫でもある。今も立派なお城はホテルとして使われている。駅から歩いて行けるような場所にある。2006年に出かけた際に調べてまとめてあるが、芸術家のコロニーが生まれた場所であり、今後はクロンベルクの室内音楽祭として、フランクフルト市内から電車で30分も掛からないことから多くの聴衆が集まるのではないかと思う。元副首相のショイブレ博士はコロナ感染の為か体調不良で欠席。

フランクフルトのアルテオパーの中ホールの音響もまずまずである事を考えると、若い人の登場の場となると同時に大物の演奏会も期待したいところだ。先ずは出かけて行って、その音響を確認して、まだ来年まで完成していないセミナー領域などの雰囲気も視察してみたい。結構楽しみなのである。来週早々に床屋の予約を取った。年内もあと二回ぐらいか。



参照:
並行した空間からの響き [ 音 ] / 2006-02-03
クロンベルクの皇后陛下 [ 女 ] / 2006-02-02
タウヌスの芸術家植民地 [ 文化一般 ] / 2006-02-01