朝が辛かった。殆どフラフラしていた。喉の調子も悪くなって、微熱気味だ。咳も出るようになってきた。しかし二週間前には濃厚接触などの機会は無かった。出来るだけ年寄りなどには近づかない様にしよう。スイスでも感染者が見つかったというので、危機は近づいている。

沢を往復するのに二月初めの発熱の時よりもつらかった。パン屋でもフラフラしていて視線が定まらないのでおかしく思われたと思う。よく分からない。もうこうなれば守るのはバーデンバーデンの復活祭が無事開かれて盛況に終わることでしか無くなって来た。近場で感染者が出るのが本当に怖い。

バーデンバーデンに祝祭劇場から電話が掛かって来ていたようだ。電話番号の内線番号からするとサーヴィス関係で支配人スタムパか社長ではないようだ。つまり、友の会やパトロンへの誘いではない筈だ。後者はそれ程金があるとは思われない筈なので大丈夫だろう。そもそも安い席を争って購入している口だからだ。

それで少し考えていたら、ああと気が付いた。私の席にカメラでも置きたいのではないだろうか。要するに「フィデリオ」最終日の席を譲って欲しいというものではないか。一列目だから、二列目も含めて数席を潰す可能性は十分にある。勿論格上の席に移してくれるのだろう。ミュンヘンでは記念公演「マイスタージンガー」の時に同じような事があった。こちらから電話しても良いがそのような事ならもう一度電話があるだろう。

また祝祭劇場のサイトにヤニック・ネゼセガンがマーラー交響曲三番をキャンセルしたことで、一ページを費やしている。それによると、今週ベルリンをキャンセルしたというのは個人的な理由ということで、週末にバーデンバーデンでロッテルダム管弦楽団を指揮して客演の直ぐ後でということで驚かれている。

つまり今週ベルリンで「練習・本番」が出来なければ、バーデンバーデンには練習時間が無いので、急いでヴィオッティ指揮で話を付けたということだ。これは事実関係としてベルリンで準備してくる、してこなければ数時間も時間が取れないという事実だ。なるほどリハーサルルームがあの劇場にはないかもしれない。話題になっている小劇場建設にはその目的もあった筈で、前日聖金曜日は「ミサソレムニス」で全く時間が無いという事だろう。

もう一つ興味深いのは、今回の演奏会がスタムパとセガンの協調作業の深化を意味していたということだが、丁度来年7月のメトの座付楽団との公演が発表の日という事での困惑と「ヤニックは再びバーデンバーデンに戻って来る、彼を信用し続けている。」と語り、「今本人以上に残念に思っている人はいない。」と結んでいる。

勿論病気ではないということで、また不慮の事態でもないとすると恋人とのいざこざなどが想像されるが、さてどうだろう。あまり男女間以上に同性間の愛情も縺れは更に面倒そうなのでそれ以上には関心が無いが、敢えて信頼などという事が発言されると痴話事としか思われない。

関心事は、ロレンツォ・ヴィオッティがこのチャンスを如何に活かせるかに尽きる。名前は親父さんの事から聞いていて、日本でも客演していたのも聞いていたが、昨年十月にフランクフルトで新制作「マノンレスコー」をアスミク・グリゴールの主演で指揮したのを聴けたので、その実力は大変評価している。但し交響曲ではどうだろうかというのは未知である。

月曜日にロンドンからの当代一のオペラ指揮者パパーノのお話しを見ていて、やはりこの指揮者は演奏会指揮者としては難しいとその話しの内容から分かった。端的に言えば、音楽の構成にその感情的な流れを中心に考えていてまさしくオペラ指揮者なのだ。なるほどMeTooガッティなどの方がその話しの内容からも演奏会向きだった。その点からすればヴィオッティはガッティぐらいは向いてはいると思うが、ジュリーニやムーティの様に成功するかどうかは分からない。フランス語、イタリア語の地域は異なるが、それらの親父もそうだがジョルダンよりはヴィオッティの方が遥かに良い。

2015年のゲリュンペルを開けた。最近2015年を比較しているが、思ったよりも遥かに良かった。特徴はサーモンド系の味に酸が効いて、色の深みにも負けない奥が深い果実が広がる味質なのだが ― 敢えて言えば複雑なフルーツミックスジュースの味である ―、ザールの同年のリースリングの様にオイリーさはない。但し年度の特徴は明らかだ。リースリング愛飲家としては影の薄い年度を好むがこれはこれでボディーもコクもあって酸も効いて経年変化が良いいい年度である。通常のワインからすればベストイヤーだろう。このワインに関しては十年後も大開きする可能性が高いと思う。雑食砂岩に、玄武岩などまさに上から降ってきたようなごみ箱のような多彩さがこの地所の特徴だ。しかし通常の年度はこれほどの深みには中々達さない。満足である。



参照:
今後の熟成を考慮する 2020-02-06 | ワイン
巨匠指揮者の動向 2020-02-25 | 文化一般