ここ暫らく色々な地所からの葡萄を食べ比べた。それも隣り合わせの列の異なる醸造所からの葡萄の味の違いは、その葡萄の木の違いでもあり、出来上がりのワインの違いでもあることが確認出来た。ある醸造所のヘアゴットザッカーの葡萄の方が奥行きがあって締まりがあれば、出来上がりのワインはそうでない方との価格差となって表れる。それも何十セントの違いなのである。この差異は全く好みではなく恐らく殆どの人が同じ判断を下すに違いなのである。もちろん好き嫌いがあり、廉い方が万が一高くても買う人がいるには違いないが、その品質がどうかと通が味見をすれば、その価格の上下は逆転することはない。

それではなぜそれほど厳密に価格つけが出来るかは全く不可解なのである。全ての醸造所の全てのワインを並べて比較して行くほどの正確差が価格に反映している。要するに特に高級ワイン協会VDPなどでは闇カルテルがあるのではないかと疑わせるのである。そこで面白い記事が紹介されていて、VDP会長の推奨価格への言及が記されている。もちろん業界団体として価格を上げていく努力は当然のことであり、それが市場で受け入れられる限り構わないのだが、ドイツワイン市場の2%と言われる高級ワインをそれほどまでに愛でる通人が十分にいるかどうかは分からない。要するにこうした市場にはどうしてもポルシェやSVCをシティーで乗り回すような購入層が必要となる。連邦大統領が警告するように「再び繰り返すような社会の危険」は去っていないのである。

ダイデスハイムのバッサーマン・ヨルダン醸造所がVDPとしてはじめて ISO 9001:2008の認定を受けたようだ。その顧客に対する扱いなどはいつもしかりつけているのであるが、なにも買わないような風来坊も何度も相手にしているところをみるとその点でも合格するのも合点が行く。ビオ・デュナミやBIO農業以上に、ISOの方が信用出来ると思うのは、やはり人によるだろうか?

そのBIO農業では、黴への対抗としてどうしても胴の散布に代わる方法がみつからないようだ。それはなにもワインだけでなく果物などにも共通していて、2015年を以って使用を止めるというが、それまでに代用出来るものは見つかりそうにないようだ。もちろんワインからは胴の成分はみつからないようだが、ビオ農業にとっては土壌を死滅させる胴の使用はその主義主張に反するのは明らかだ。要するにビオ農業などは机上の空論となる。

ダイデスハイムのホーヘンモルゲンやカルクオーフェン、キーセルベルクにモイスヘーレなどの葡萄を雨上がりの今日試食して来た。バッサーマン・ヨルダンの真ん中の二つは既に収穫されていた。カビネットの収穫としては適当だろう。しかし、カルクオーフェンが収穫されていたのは不思議であり、今年もグランクリュは出ないのだろうか?ホーヘンモルゲンなどもフォルストの地所の葡萄に比べると熟成度が低く土壌の保温の違いが、力強いワインの地所と繊細なワインの地所との相違となっているようだ。モイスヘーレなどは更に北側の斜面なので酸が強く独特の味を醸し出していた。



参照:
今週の掘り出し物? (モーゼルだより)