「肉屋の売り子は性的魅力がある女の子が多い」とどこかに書いたことがある。それは兎も角、ある種の共通性があるのは間違いない。お互いに気になっている表情の豊かな売り子がいる。

先日は中華料理屋の調理人とそのオーナーらしき水商売風の婆さんがそこで鶉卵を二百個も注文していた。そのお気に入りの彼女が対応していたのだが、どう見てもその婆さんの対応が難しい。此方は列を作って待っているのだが、時間が掛かるのは全く構わない。しかし、その対応が今一つ釈然としないのである。

その売り子は、それでもきちっと懇切に対応をしているのを観察していた。そしてこちらの順番が来たのだが、まだ思考が混乱しているのか、なぜか私への対応がおかしい。なるほど暫らく列を作っていたりしたので遠慮していたのだが、そこまで冷たくあしらわれる必要はないだろうという按配だ。なにか見せたくないものを見られたと言うバツの悪い感じを示していた。それともついついうつむいた胸元に目線を走らせた私が悪かったのか?

昨日また前の客などへの仕事振りを観察していると、厭に同僚やらに声をかけたりととても楽しく活発そうで驚いた。まるで今晩辺りランデヴーでもあるかのようだ。私の番になってからも、腹肉をごっそりと切るそぶりを見せ。

「これぐらい?」と惚けるのである。

「いや、そんなに切られると、こっちが腹肉を作らなきゃいけないよ、腹肉には腹肉」と答える。

感情の起伏が大きいのか表情の大変豊かな女性なのだが、肉売り場の売り子にありがちな肉感的な嫌味がないのである。いつまでその職場に居るか判らないが、もうすこしウォッチングを続けたい娘である。