少年ドラマシリーズ関連もこれで4回目の投稿である。SFのネタの一つに、転校生ものというのがある。転校生は、未知の存在が、日常生活に入って来るので、SFのネタにしやすいのだと思う。少年ドラマシリーズでも眉村卓原作の「なぞの転校生」や光瀬龍原作の「明日への追跡」は、転校生ものである。それぞれ解説する。
(1) なぞの転校生
・原作と少年ドラマとの相違点
舞台が大阪で、東京からの転校生になっている。不法侵入してきたカメラマンにドラマではレーザービームを威嚇発射するだけだが、原作では、大やけどを負わせている。また、原作では、転校生には両親がいたが、ドラマでは、父親のみで、母親と兄と妹は、遠い宇宙の果てで亡くなったことになっている。単行本は、前の記事でもふれた盛光社のジュニアSFを最初に、SFベストセラーズ版、角川文庫版と発行され、最も最近では、講談社の青い鳥文庫でも刊行された。
・NHK少年ドラマシリーズ「謎の転校生」 1976年11月17日~12月3日(9回)
NHKには、映像は残っていなかったが、一般から全9話分の映像が寄贈され、DVD化もされたので、見ることが出来た。世代的に、少年ドラマシリーズの記憶は、ほとんどないのだが、うっすらとある記憶の一つが、建物の屋上にボロボロ人がいっぱいいる映像で、それは、このドラマのラスト近くにあった。
主演の岩田広一役は、高野浩幸氏(超人バロム1の白鳥健太郎役でも有名)、転校生の山沢典夫役に、星野利晴氏。この2人は、少年ドラマの常連であった。ヒロインの香川みどり役に、伊豆田依子氏、伊豆田氏は、77年放送にTV朝日系で放送された「冒険ファミリーここは惑星0番地」での島崎礼子役も印象に残っている。主人公の父に、前田昌明(後年、機動戦士ガンダムF91で鉄仮面ことカロッゾの声を担当した)、母に、少年ドラマ常連の高田敏江氏。山沢の父役に、時代劇の悪役でよく見る、川辺久造氏がでている。時代劇と違っていい役で、最後の大演説も印象に残る。他には、担任の大谷先生役で、かつて、サインはVの主役で一世風靡した岡田可愛氏が出ている。ただ、岡田氏は、このドラマに出た記憶がないと言う。低予算のスタジオドラマであるため、つっこみどころ満載の出来であるが、70年代のSFムード満点のドラマということは言えると思う。
・映画「なぞの転校生 Dimension Traveler」 1998年12月26日公開 BANDAI
大幅にストーリーがアレンジされていて、講談社版以外の原作本に同時収録の「侵された都市」もストーリに組み込まれている。主人公が香川翠になっていて新山千春が演じている。転校生も岩瀬真祐美になっていて、佐藤康恵が演じている。なお、岩瀬は、「侵された都市」の主人公、岩瀬マユミ(男性)から撮られた名前。岩田広一は脇役で、妻夫木聡が演じている。また、中学時代の転校生として山沢典夫も登場し、宝井誠明が演じている。金井大氏や、並木史朗氏も出ている。享楽の地として、渋谷のセンター街が登場したりする。
・テレビ東京ドラマ24「なぞの転校生」 2014年1月11日~3月29日(12回)
リメイク版では、あるが、かなりのアレンジがなされている。主役、岩田広一役に、中村蒼、転校生山沢典夫役に、本郷奏多、ヒロイン香川みどり役に桜井美南と若手の人気俳優をそろえている。大谷先生役に、京野ことみが出ている。また、広一の父役で、かつての広一役、高野浩幸氏が出ているのもオールドファンを喜ばせた。また、ミッキー・カーチス氏が出ていたのも印象に残る。広一の母役は、濱田マリ。
(2) 明日への追跡
・原作との相違点 原作では、鈴木、北島の2人の同級生は、死んでしまうが、ドラマでは記憶喪失にされてしまうことになっている。原作本は、すばる書房のSFバックスから刊行されたのが最初で、その後SFベストセラーズから発売され、角川文庫で発売された。現在は、電子書籍になっている。
・NHK少年ドラマシリーズ「明日への追跡」 1976年5月10日~27日(12回)、再編集版、1978年3月20日~25日(6回)
これまで知られていたのは、本放送版の第1回、9回、再放送版の最終回の3つの映像で、DVDは、その3つが収録され、かけている部分は、写真にあらすじをナレーションでかぶせる形で補った。そのナレーションは、当時ナレーションを担当していた田中信夫氏(コンバットのサンダース役や、ガッチャマンの総裁X役で有名な声優)に再録音してもらった。
主人公、落合基役に、沢田正一、ヒロイン椿芙由子役に、これがTVデビューの斉藤とも子、主人公の父に、滝田裕介、母に、長内美那子、芙由子の父に古川ロックが出ていた。転校生役に、少年ドラマ常連の長谷川諭、学級委員の浦川礼子役に森田あけみが出ていた。また、第9話には、転校生の兄役で、少年ドラマ常連でもある、声優の及川ヒロオ氏(フランダースの犬のジュハンじいさん役や、イタダキマンのオシャカ校長役などで有名)が出ている。
最近、朗報が伝わり、NHKの番組発掘プロジェクトの一環で、再放送版だと思うが全話分の映像が寄贈され、修復中だそうである。アーカイブで公開されたら、また地元のNHKに通って視聴して見たいと思う。