生まれた時から呉服屋のわたしは
『自分＝着物』
が当たり前の感覚で育った。
自己認識にその境目がなくなるくらい。
高校生から店に立った。
絹の着物を着る毎日
着替えることも、着ていることも、それで生活することも
何ら不自由なかった。
みんな着物着ればいいのに
と思ってた。
ところが
一歩呉服屋から外の世界に出て
店ではない家に住み、結婚し、出産し、家事をし、育児をし、移動する
そんな生活になった時
絹の着物が着れなくなった。
当たり前だが
車や徒歩で移動し、
スーパーで買い物を大量にし
仕事の合間に水回り含め家事を済ませ
子の世話をして、風呂を沸かす。
そしてもしもその過程で自分の着物が汚れたら、それを夜脱いで、お手入れする。
絹の着物の場合は
シミ抜きやほつれもプロにお願いしたい作業で
一枚の着物の値段を考えると、纏うフットワークが鈍った。
それでも
着物が着たくて着たくて仕方なかった。
だって、着物がなければ私じゃなかった。
着物を着た時の'わたし'は
何にも代えがたかった。
そんな私自身が
一番欲していたのがKIMONOWEARだったんだ、と今さらに気づく。
KIMONOWEAR開発当初
サンプルが完成に近づくにつれ
一番不安だったのは
'ほんとうにきものになるか？'
だった。
答えは簡単。
私が着れば、すぐにわかる。
着て'違う'と感じたら販売は諦めよう
と決めていた。
だって、私が、わたしに着せることを許さない。
サンプルができてきた日
驚いた。
ニットなのに、KIMONOだった。
ちゃんと、KIMONOだったんだよ。
感動した。
KIMONOは形であって
形じゃない。
日本人の我々の何か根幹に
心や体や精神の根幹に寄り添い、共にあり、一体化してくるもの。
その
KIMONOの仕組みや在り方を
体現できたプロダクトです。
是非、現代社会、日本国内でKIMONOを纏いたい
老若男女にお召しいただきたい。
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KIMONOWEAR by NOI
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