・・・私の想像は妄想へと変わりつつあった。
しかし、その時の私は頭の中が、妙な方向にぐるぐると回転し始めていることに気が付かなかった。
疑いの眼差しで視られていることで、思考回路が麻痺してしまったのかもしれない。
「あー、運転手さん、トランクの中見たことあります?」
と、警察官はトランクの中を眺めながら私に問い掛けてきた。
(???そらきた…やっぱり?)
血の付いたハンカチ…いやひょっとすると死体があったら……どう言い訳するんだ――――。
私はにわかに自分でも顔から血の気が引いていくのが判った。
(だからさっき言った通りないですってば!)
「…だから、一度もないですが…」
リアウインドウ越しに私のほうをじっと見ていた警察官は、おもむろにトランクを締め、私のほうに近づいてきた。
ゴクリ、と唾を飲み込んだ私――。
「いやぁ、何もないです。空っぽですよ。どうも大変お手数かけました。」
「あ…へ?……そ、そうですか…?」
拍子抜けして、間の抜けた顔をしているであろう私に向かって、警察官は最初私に浮かべた笑みを湛えながらながら、こう言った。
「はい、免許証お返ししますね。近頃変な人が多いのでお気をつけくださいね。ではっ」
軽く敬礼をしながら警察官はその場を離れて行った。
もう一人は既にパトカーの中に戻って待機しているようだ。目には鋭さはなく、車や私への興味も失っているようである。
(フー。やれやれ…それにしても、なんだったんだー。今の時間を返してくれ~。)
私は遠ざかっていくパトカーを虚ろな目で睨みながら、濃い疲労感を覚えていたのだった・・・・・。
<完>
―――教訓
公園近くの車の中でうたた寝するのは止めましょう(-_-#)
・・・オチがなくてすみません<(_ _)>
