ピアノは物心ついた時から弾いていたので、歴はもう半世紀を超えました。
が、どんなに真摯に向き合ってるつもりでも音大も出ていないアマチュアです。年に一度の発表会で20人にも満たないピアノ仲間に聴いて頂くのが精一杯です。
まぁ、私には専門家のようなシビアな向き合い方は耐えられないんだと思います。
だから私にとって楽譜通りに弾くことは大変な事です。
1小節を歪みなく積み上げる。
音を響かせながら音量をコントロールする。
演奏記号を見落とさずに弾く。
考えた曲のイメージに合った音色にする。
その中で自分の個性が出る。
それが理想です。
ステップとかに出て「明らかにハチャメチャなんだけど妙に自信たっぷりで情熱的」ってのも聞きますけどね〜。ちょっと羨ましいけど私にはナイかな?
楽譜って好きな人からの手紙だと思うのよ。
それを分かりたくて、分かりたくて一生懸命読む。
そして自分なりに考えて練習してクリアに、ほんの少し自分の色を付けて弾く。それがお返事。
そんな感じなんだよね〜。
以前、一度だけ東京芸大の先生に見て頂く機会がありました。
正に猫に小判。
音大出て地元で演奏活動されてる方が受けるようなレッスンで絶対有り得ない展開。
最初に演奏歴を聞かれて「アマチュアで50年」って伝えたら、「音大も出てないオバチャンが、何でいきなり月光の三楽章?」みたいな感じで直ぐには三楽章を弾かせて貰えず、一楽章を弾く指示でした。
少し弾いてから曲のイメージを聞かれて、やっと三楽章弾かせて貰えたの。
短い時間の中、めっちゃ難しいタッチまでしっかりと教えて貰えて嬉しかったなぁ〜。
勿論、先生のタッチには遠く及ばないけど何とかそのニュアンスに近づけて弾いて。それなりに弾けそうと判断されたのか「次、ここはこう!」って次々教えて貰えた。
「これが出来たらしっかりとした形になります。」「頑張って下さいね。」と言って貰えた事を師匠に伝えたら「それはぐすくさんが音楽と真摯に向き合ってると思ってもらえたんだよ。」と師匠に言われました。
私のちっちゃなちっちゃな勲章です。
でもね、そう弾ける事が本来のスタートライン。
プロって凄い。そして私ってちっちゃい(笑)
興味の無い人には「たかが楽譜」「楽譜通り」かもしれない。
人によっては楽譜通りって四角四面で面白味のないものかもしれないけど、私には永遠の謎です。
楽譜通りなんて届かない。
永遠の片想い。
練習しよ。