●元長柾木氏の歩み5 2002年~2003年 (era of 13cm Part3)
※前回までと同様のフォーマットでゲームの詳細などの内容も書きたかったのですが、時間的な問題でその部分については「後日追記」という形をとり、今回および次回は「元長氏の大まかな動向」のみを書いておくこととします。ご了承ください。
2001年に『未来にキスを』を発表し、毀誉褒貶入り混じる大反響を受けた元長氏。
2002年初頭には『未来にキスを』の後日譚を描くドラマCD「Kiss the Future ≪AFTER GENESIS≫(Time Passed Me By)」がLantisより発売されます。
このCDは、登場人物のその後が描かれるだけでなく、前作『sense off』の世界との接続がはっきりする内容になっていますが。。。色々衝撃的な展開が淡々とした語り口で伝えられるので、今思えばこのあたりが「『未来にキスを』は悪意」だと受け取られる源泉だったのかと思わなくもありません。
また、(原画のみさくらなんこつさんを主にフィーチャーしたものですが)『未来にキスを』のファンブックも発行され、作品の設定の一部が明かされたりもしています。
以上2つの関連商品を発行した後、otherwiseは開店休業状態に陥り、次作を渇望されつつも遂に活動を再開することはありませんでした。
少し話が前後しますが、『未来にキスを』がきっかけで、元長さんは(当時新進気鋭の評論家として売り出し中だった)東浩紀氏に「発見」されます。
その縁でビブロス社から発行されていた雑誌「Colorful ピュアガール」上において、元長氏と東氏の対談が2号連続で掲載。
さらに以後1年間に亘り、同誌で書評・ゲーム評のコラム「辺縁系逍遥」が連載されることとなり、またS-Fマガジンにては、短編小説『デイドリーム、鳥のように』が掲載されます。
このように元長氏は、「サブカル層」とでも「インテリ志向オタク層」とでも言うべき界隈の寵児となっていくのですが・・・
……同時期、「本業」のゲーム制作においては、思うように制作が行えない状況になっておられたようです。
2001年の暮れ頃、13cmの「出慕音」氏―――otherwiseの「大瀧大輔」氏が突如失踪。
その皺寄せで、出慕音氏がディレクターとなって制作中だった『DEVOTE2』の開発のリカバリに回ることとなります。
その後も13cm社で「失踪したスタッフが口約束していただけの作品」を手掛けることになったり、相変わらず名前の出ないパートでの業務をこなしたり。
『sense off』『未来にキスを』の2作で、(反応を期待していた層の・想定通りの反応だったかどうかはともかくとしても、)「自分のゲーム」に需要がある広大なマーケットが見え、また市場からも次作を待望されているにもかかわらず、社内的には「自分に起因しない」業務に追われる日々。
数年来の盟友・うつろあくた氏の『プリンセスブライド』と、いくつかの掌編を除けば、この時期に元長氏がやりたくてやった仕事は殆どないのではないでしょうか。
結果、「社内での役回りに疲れた」と、2003年末の『ラストオーダー』のリリースを最後に、13cmを退職。
以後、小説やコラムなどをメインに活動されることとなります。
………そして、明日発売の『猫撫ディストーション』まで実に7年と2か月の間、元長氏がシナリオを書いたゲームは出ることがありませんでした。
※前回までと同様のフォーマットでゲームの詳細などの内容も書きたかったのですが、時間的な問題でその部分については「後日追記」という形をとり、今回および次回は「元長氏の大まかな動向」のみを書いておくこととします。ご了承ください。
2001年に『未来にキスを』を発表し、毀誉褒貶入り混じる大反響を受けた元長氏。
2002年初頭には『未来にキスを』の後日譚を描くドラマCD「Kiss the Future ≪AFTER GENESIS≫(Time Passed Me By)」がLantisより発売されます。
このCDは、登場人物のその後が描かれるだけでなく、前作『sense off』の世界との接続がはっきりする内容になっていますが。。。色々衝撃的な展開が淡々とした語り口で伝えられるので、今思えばこのあたりが「『未来にキスを』は悪意」だと受け取られる源泉だったのかと思わなくもありません。
また、(原画のみさくらなんこつさんを主にフィーチャーしたものですが)『未来にキスを』のファンブックも発行され、作品の設定の一部が明かされたりもしています。
以上2つの関連商品を発行した後、otherwiseは開店休業状態に陥り、次作を渇望されつつも遂に活動を再開することはありませんでした。
少し話が前後しますが、『未来にキスを』がきっかけで、元長さんは(当時新進気鋭の評論家として売り出し中だった)東浩紀氏に「発見」されます。
その縁でビブロス社から発行されていた雑誌「Colorful ピュアガール」上において、元長氏と東氏の対談が2号連続で掲載。
さらに以後1年間に亘り、同誌で書評・ゲーム評のコラム「辺縁系逍遥」が連載されることとなり、またS-Fマガジンにては、短編小説『デイドリーム、鳥のように』が掲載されます。
このように元長氏は、「サブカル層」とでも「インテリ志向オタク層」とでも言うべき界隈の寵児となっていくのですが・・・
……同時期、「本業」のゲーム制作においては、思うように制作が行えない状況になっておられたようです。
2001年の暮れ頃、13cmの「出慕音」氏―――otherwiseの「大瀧大輔」氏が突如失踪。
その皺寄せで、出慕音氏がディレクターとなって制作中だった『DEVOTE2』の開発のリカバリに回ることとなります。
その後も13cm社で「失踪したスタッフが口約束していただけの作品」を手掛けることになったり、相変わらず名前の出ないパートでの業務をこなしたり。
『sense off』『未来にキスを』の2作で、(反応を期待していた層の・想定通りの反応だったかどうかはともかくとしても、)「自分のゲーム」に需要がある広大なマーケットが見え、また市場からも次作を待望されているにもかかわらず、社内的には「自分に起因しない」業務に追われる日々。
数年来の盟友・うつろあくた氏の『プリンセスブライド』と、いくつかの掌編を除けば、この時期に元長氏がやりたくてやった仕事は殆どないのではないでしょうか。
結果、「社内での役回りに疲れた」と、2003年末の『ラストオーダー』のリリースを最後に、13cmを退職。
以後、小説やコラムなどをメインに活動されることとなります。
………そして、明日発売の『猫撫ディストーション』まで実に7年と2か月の間、元長氏がシナリオを書いたゲームは出ることがありませんでした。