ペット先進国、ドイツでは「殺処分ゼロ」を実現。ドイツでは捨てられた犬、猫や、飼い主が飼えなくなった動物を絶対に殺しません。ドイツには殺処分場は存在しないのです。その代わりに新しい飼い主を探すための「ティアハイム(動物の家)」というシェルター
が500 以上あります。ここでは、譲渡できないからといって、殺処分される動物はいません。適切な飼い主が見つかるまで、何カ月でも暮らすことができます。欧州最大規模の動物保護収容施設「ティアハイム・ベルリン」=写真
=では、2005 年に譲渡された犬や猫の数は合計6,494 頭。収容された内、98%に新しい飼い主が見つかりました。
この施設にかかる一日の経費約1,100 ユーロ (約13 万円 ※2010 年2 月現在)に対して、自治体からの援助は僅か。
ほとんどは1 万5 千人いる会員からの寄付によって賄われています。
ドイツには、犬を保護する様々な法律があります。犬の大きさや種類によるケージの大きさや、散歩時のリードの長さから、気温が高い時の犬の車での置き去りの禁止まで、細かく定められています。犬のオーナーに課せられる「犬税」も存在します。内容や額は自治体によって異なりますが、安易に犬を飼うことを抑止し、流行などによって特定犬種を過剰繁殖させることを防ぐために有効です。
北里大学獣医学部の入交(いりまじり)真巳先生に、犬を飼う前のヒントや、飼い始めてからのトラブル解決についてお話をお伺いしました。
子犬にとって大事な「社会化期」について
知ることは大事これから子犬を家族に迎えるにあたり、何を注意したらいいでしょうか。4つのポイント をあげてみました。
1.犬を飼うタイミング
まず犬を飼う場合、自分のライフスタイル を考えて、今子犬を飼うべきか良く考えましょう。子犬には、
●トイレ のしつけ などが必要です。
●ご飯も頻繁にあげないといけません。
●ワクチンの数もいっぱいです。
●良い子犬に育てるために子犬の幼稚園に行った方がいいですし、人の子供 同様手がかかります。
この先、犬と15-20年共に暮らすという事実を頭に入れてから飼いましょう。
2.犬種について
流行に乗って犬種を選ぶと自らのライフスタイルに合わない犬と暮らすことになってしまいます。犬種についてよく研究しましょう。自分に合う犬種についてはブリーダーさんや獣医さんに聞いてみてください。
3.子犬の入手先
子犬は4カ月齢までの間にいろいろな情報を吸収して無理なく社会に溶け込むことをしていきます。これを社会化期といいます。この時期に色々な犬(母犬、兄弟犬、友達犬)と接することで犬社会のルールを学び、色々な人に会って色々な環境に身を置くことでこれから生活する環境に慣れていきます。ペットショップ でもブリーダーさんでも子犬にとって大切な「社会化期」についてご存じか聞くと、良い子犬と出会える確率が上がります。逆に、プロが子犬の社会化期について知っていないと困りものです。
4.良いブリーダーを選ぶ
残念ながら、「パピーミル」と言って流行を追って犬を「生産」している業者もいます。犬は流行を追って生産できる「物」ではありません。長く同じ犬種を扱っているブリーダーさん、まじめに取り組んでいるブリーダーさんを探してみてください。
ペットを飼っていて困っていることはありませんか?
多くの飼い主様がペットを飼っていていろいろな悩みや困った問題を抱えています。たとえば、
●咬む
●トイレで排泄してくれない
●無駄吠え
などです。
ペットが困った行動をすることで、ペットとヒトの絆が壊れてしまってペットに愛情が感じられなくなってしまったり、ペットと暮らしていくのを苦痛に感じてしまうようになってしまったりするケースもあります。そうなるとペットとの幸せな時間を共有できなくなってしまいます。
ペットの困った問題行動があるときには、一人で悩まずぜひ動物病院に行って相談してみて下さい。動物たちの困った行動は、いたずらのような単純なものやしつけの問題だけではなく、実は動物の体に痛みがあったり、不快感があったりするから起きている事もあります。そのような場合はちゃんとペットたちの不快感を取り除くために治療を受けさせましょう。
犬の「言葉」を聞くまた、犬の困った行動は犬に馬鹿にされているからではなく、犬とのコミュニケーション がうまくいっていないからで、犬との上下関係の問題ではないことが指摘されています。ですから人が犬の「ボス」になるのではなく犬の「家族」になってもっと犬の言葉を聞いてあげてください。
問題行動はペットへの接し方、トレーニング 方法や飼育環境をちょっと変えていくことで解決するかもしれません。
北里大学獣医学部 動物資源科学科
動物行動学研究室専任講師
入交眞巳
殺処分を減少する原動力
「限りなく殺処分ゼロ」を実現した、熊本市動物愛護センターの松崎所長にご自身の経験から幸せなペットを増やすために私たちにできることをご紹介していただきます。
使われなくなって3年経つドリーム ボックス と呼ばれる処分機熊本市動物愛護センターには3 年間使用されていないガス処分機が機械室に埃をかぶってひっそりと置いてあります。処分数が減ったため麻酔注射 による安楽死が可能となったからです。
職員、市民ボランティアなど関係者の努力が実り、2010年度は犬猫計7頭の殺処分に留まり限りなくゼロに近づきました。
センターでは特に2006年度より、飼えないからと殺処分を依頼してくる飼い主に対して飼養継続や新しい飼い主探しを行うよう粘り強く話をしていくことを徹底しました。
当初は様々なトラブルがあったものの、職員の「これを伝えることができるのは自分たちしかいない」「あきらめれば動物の命に関わる」という強い気持ちが皆さんの応援の声を生みました。市民ががんばるから行政もがんばる、それを見てさらに協力してくれる市民が増えるという相乗効果が持続的にでてきたことがゼロを実現できた一つの理由であると考えています。
さらに2004年に官民一体の取り組みを目指して設立した協議会と活動を行っていく中で、多くの市民からボランティアとして協力したいとの申出があり活動がさらに大きくなっていきました。
「お互いが意見を交換し、それぞれの立場でできることを考え、実行する」という市民協働の取り組みも大きく殺処分を減少する原動力になったと思います。
ペット
この施設にかかる一日の経費約1,100 ユーロ (約13 万円 ※2010 年2 月現在)に対して、自治体からの援助は僅か。
ほとんどは1 万5 千人いる会員からの寄付によって賄われています。
ドイツには、犬を保護する様々な法律があります。犬の大きさや種類によるケージの大きさや、散歩時のリードの長さから、気温が高い時の犬の車での置き去りの禁止まで、細かく定められています。犬のオーナーに課せられる「犬税」も存在します。内容や額は自治体によって異なりますが、安易に犬を飼うことを抑止し、流行などによって特定犬種を過剰繁殖させることを防ぐために有効です。
北里大学獣医学部の入交(いりまじり)真巳先生に、犬を飼う前のヒントや、飼い始めてからのトラブル解決についてお話をお伺いしました。
子犬にとって大事な「社会化期」について
知ることは大事これから子犬を家族に迎えるにあたり、何を注意したらいいでしょうか。4つのポイント をあげてみました。
1.犬を飼うタイミング
まず犬を飼う場合、自分のライフスタイル を考えて、今子犬を飼うべきか良く考えましょう。子犬には、
●トイレ のしつけ などが必要です。
●ご飯も頻繁にあげないといけません。
●ワクチンの数もいっぱいです。
●良い子犬に育てるために子犬の幼稚園に行った方がいいですし、人の子供 同様手がかかります。
この先、犬と15-20年共に暮らすという事実を頭に入れてから飼いましょう。
2.犬種について
流行に乗って犬種を選ぶと自らのライフスタイルに合わない犬と暮らすことになってしまいます。犬種についてよく研究しましょう。自分に合う犬種についてはブリーダーさんや獣医さんに聞いてみてください。
3.子犬の入手先
子犬は4カ月齢までの間にいろいろな情報を吸収して無理なく社会に溶け込むことをしていきます。これを社会化期といいます。この時期に色々な犬(母犬、兄弟犬、友達犬)と接することで犬社会のルールを学び、色々な人に会って色々な環境に身を置くことでこれから生活する環境に慣れていきます。ペットショップ でもブリーダーさんでも子犬にとって大切な「社会化期」についてご存じか聞くと、良い子犬と出会える確率が上がります。逆に、プロが子犬の社会化期について知っていないと困りものです。
4.良いブリーダーを選ぶ
残念ながら、「パピーミル」と言って流行を追って犬を「生産」している業者もいます。犬は流行を追って生産できる「物」ではありません。長く同じ犬種を扱っているブリーダーさん、まじめに取り組んでいるブリーダーさんを探してみてください。
ペットを飼っていて困っていることはありませんか?
多くの飼い主様がペットを飼っていていろいろな悩みや困った問題を抱えています。たとえば、
●咬む
●トイレで排泄してくれない
●無駄吠え
などです。
ペットが困った行動をすることで、ペットとヒトの絆が壊れてしまってペットに愛情が感じられなくなってしまったり、ペットと暮らしていくのを苦痛に感じてしまうようになってしまったりするケースもあります。そうなるとペットとの幸せな時間を共有できなくなってしまいます。
ペットの困った問題行動があるときには、一人で悩まずぜひ動物病院に行って相談してみて下さい。動物たちの困った行動は、いたずらのような単純なものやしつけの問題だけではなく、実は動物の体に痛みがあったり、不快感があったりするから起きている事もあります。そのような場合はちゃんとペットたちの不快感を取り除くために治療を受けさせましょう。
犬の「言葉」を聞くまた、犬の困った行動は犬に馬鹿にされているからではなく、犬とのコミュニケーション がうまくいっていないからで、犬との上下関係の問題ではないことが指摘されています。ですから人が犬の「ボス」になるのではなく犬の「家族」になってもっと犬の言葉を聞いてあげてください。
問題行動はペットへの接し方、トレーニング 方法や飼育環境をちょっと変えていくことで解決するかもしれません。
北里大学獣医学部 動物資源科学科
動物行動学研究室専任講師
入交眞巳
殺処分を減少する原動力
「限りなく殺処分ゼロ」を実現した、熊本市動物愛護センターの松崎所長にご自身の経験から幸せなペットを増やすために私たちにできることをご紹介していただきます。
使われなくなって3年経つドリーム ボックス と呼ばれる処分機熊本市動物愛護センターには3 年間使用されていないガス処分機が機械室に埃をかぶってひっそりと置いてあります。処分数が減ったため麻酔注射 による安楽死が可能となったからです。
職員、市民ボランティアなど関係者の努力が実り、2010年度は犬猫計7頭の殺処分に留まり限りなくゼロに近づきました。
センターでは特に2006年度より、飼えないからと殺処分を依頼してくる飼い主に対して飼養継続や新しい飼い主探しを行うよう粘り強く話をしていくことを徹底しました。
当初は様々なトラブルがあったものの、職員の「これを伝えることができるのは自分たちしかいない」「あきらめれば動物の命に関わる」という強い気持ちが皆さんの応援の声を生みました。市民ががんばるから行政もがんばる、それを見てさらに協力してくれる市民が増えるという相乗効果が持続的にでてきたことがゼロを実現できた一つの理由であると考えています。
さらに2004年に官民一体の取り組みを目指して設立した協議会と活動を行っていく中で、多くの市民からボランティアとして協力したいとの申出があり活動がさらに大きくなっていきました。
「お互いが意見を交換し、それぞれの立場でできることを考え、実行する」という市民協働の取り組みも大きく殺処分を減少する原動力になったと思います。
ペット