写真は印画紙のままだと劣化が進んでいく。
古びた写真はこのままじゃいけないと思い、スキャナーでPC に取り込むことにした。数日前のことだ。
やっているうちに妻の二十歳の頃の写真が出て来た。
社内結婚だったので制服姿も記憶にある。何とも懐かしく可愛い昔の姿にしばらく見とれていた。
少々歳も取り、やや太り気味であるが今でも優しいところや大きな声で笑うところはかわっていない。
自分の主張が割合はっきりしているので、分かりやすい人である。
改めて僕はこの人を好きになったんだなと、好きになってよかったと思う。
そうしているうちに日も暮れいつの間にか部屋は暗くなっていた。
下から呼ぶ声がして、降りていくと力仕事のお願いだった。もちろん気持ち良く引き受けたのは言うまでもない。
好きな人は何時までも色褪せない。