靴が大好きだ。
ついでに言ってしまうと革靴が好きな男も好きだ。革靴をうまく履きこなす男は、結局なんでも似合ってしまうのだ。じゃないと革靴を好きになれないと思う。
今日は久々に三宮の高架下へ行った。
三宮といえば「靴」だ。たくさん靴屋さんがある。今日は出会うべくして出会ったかのようだ。とても素敵な靴に。そして素敵なおにいさんに。

探し物は探すと余計に見つからない。
恋をしたいのに恋ができないときみたいに。そういう風に流れているんだ。なんとなくそれはそういう風に決まっているんだ。


2000円と少しのまあまあ気に入った秋っぽいパンプスを買ったあとだった。ガラスケースの中に飾られた素敵な靴たちを発見した。私の眼は一瞬どきっとして輝いた。なんともいえない色たちが私の眼に飛び込んで来た。私は一瞬で一目惚れした。

気に入った靴にそれぞれ友達と感想を述べながら、みていると店員さんが近づいてきてその靴について、とてもわかりやすく説明してくれた。
ほとんどヨーロッパでつくられた靴ばかりで、イタリア、フランス、そのひとつひとつの革のやわらかさや、どのようにして染めているか、日本の靴の特等性、その店員さんは様々なことを説明してくれた。

私からしたらなにがわけありで安くなっているのかそこのこだわりはよくわからないが、本来3万3千円する革のスニーカーが1万5千円になっていた。店員のおにいさんのおじいさんがいつも買い付けにいっているらしい。「値段をつける基準は僕にはよくわからないんですけどね。」と店員さんは言った。

その店にあるいろんな靴を履かしてもらっては、フロアを歩いて楽しんだ。そのたびおにいさんは、自慢げにその靴のよさについて説明してくれる。今日はだいぶヨーロッパの靴の歴史を学んだ気がする。イタリアの水はきれいだから、染めたらすごくいい味の色が出る。
確かに靴に限らず革というのは少し中毒性がある。はくたびに味がでてくる。自分だけのオリジナルだからだ。同じデザインでも同じものはない。

まあそんなわけで運命的な靴と今日出会ったわけだ。随分と、他愛のない話をして閉店時間をとっくにすぎてしまった。
私は長財布とコインケースふたつをわけているのだが、小銭を出そうとコインケースを出したときに、おにいさんは「僕、出しましょか?」そういった。230円「え、いいんですか?」と聞き返すと「今日だけですよ?またきてください。」と、そう言った。そしてやはりそのおにいさんのコインケースは革だった。

ひとつの靴屋さんでずいぶんと長居して、いろんなお話をした。結局最後には、「人生、楽しんでますね。いいですね。」と大きくしめくくられた。「そうですね、人生楽しいですね。」と笑って返した。

やはり、外に出て人に触れると様々なことを勉強できる。英会話にわざわざ通うより、外国人がよく集う場所などにいって、英語を話すほうがよっぽど英語を学べると私は思う。もちろん自分でも勉強するが。

とにかく、触れてみないとわからないということだ。
そこに実際触れている人と話をするのはとても楽しいし、いい勉強になりなんだかただで授業を受けれたようで、特した気分になった。いつも二度とないものに触れるたび、幸せでたまらなくなる。


「また人生を楽しむためにもお店に遊びに行きますよ。」


2011.08.12