ボーイズはそれぞれ13歳、11歳(もうすぐ12歳)、8歳になりましたが、まだぼちぼち読み聞かせをしています。
本読むーって聞くと、読んでー
って答えてくれるから、この嬉しい答えが返ってきてるうちは続けようと
日本語に触れる機会の1つですよね。
本は、フランス語なら全然自分たちで読める。
でも、余暇で読む時間は限られてるし、私達が触れてほしいような文学作品を読むとは限らない。
ほな私のオススメを、日本語で耳に入れちゃおうという、単純な思考回路。
悩むのは本のチョイスです。
3人とも楽しめるチョイスっていうのはかなり難しい。
上二人は学校で色々習っているし、内容が単純すぎるとつまらない。
でも、難しすぎると今度はアルルがつまんない…
ということで色々試行錯誤してますが、これまでのところ、文句なしに好評を得ているのは
風刺文学
です。
風刺文学――人間や社会の現実を批判、攻撃する意図をもって描かれた文学で、機知に富んだものが多い。
私も大好きなジャンルですが、子どもたち、よく内容わかってる
もちろん内容によっては説明が必要な箇所もありますが、一度コンテキストを把握したら、ハマってくれました。
個人差あるでしょうが、うちの子たちには冒険モノよりもこっちのほうがいいみたい。
前にナルニア系も何冊か読みましたが、ノリはイマイチだったな〜
やっぱり関西人ですからね。底辺に笑い(ガハハでもニヤリでも)があったほうが心に響くようです
ということで、何冊か読みましたが、上二人がどハマリしたのが、ジョージ・オーウェルの「動物農場」。
高校のときに授業で読んだ本ですが、傑作ですよね、ほんと。
ずっと心に残っていて、子どもたちにもいつか読んでほしいと思っていました。
でも私も再読したかったので、読み聞かせのネタに
ウェブで無料の日本語版がさくっと見つかって良かった
文学作品は、探したら結構見つかること多いです。
動物農場は民主主義が全体主義、そして独裁政権に陥っていく過程を非常にわかりやすく描き出した作品で、傑作です、ほんと。
登場するいろんなキャラも忘れがたい。
え、まさか…え、なんでえええええ
って子どもたちの反応も楽しかったー
そこからいろんな会話も生まれましたし、すでに世界史を勉強し始めている子どもたちなら文句なく楽しめるかと思います
あ、でも、ソ連の歴史と絡ませて説明したほうが絶対おもしろしさ倍増なので、親も事前勉強してとりかかるのが一番かな
最近3人まとめて楽しめたのは、トルストイのイワンのばか。
子どものころに読んだ記憶があったけど、改めて読むとなかなか鋭く現代社会のあり方を批判していて楽しめます。
これはアルルも聞き入ってた
「え、でもイワン、ほんとはばかじゃないよねそれって賢くない
」
「ぼくはこっちの国に住みたい」
とか、なかなか鋭いコメントを放つ子どもたち。
風刺文学といえばまっさきに思い浮かぶのはジョナサン・スウィフトですが、残念ながらガリバー旅行記は説明文が多くて話のスピードが遅すぎて、あまりうけなかったので途中で読むのをやめました。
それぞれの国の住民の描写も、いちいち現代社会との対比が面白いのだけど、やっぱり長過ぎるとねぇ。
スウィフトですごく面白かった記憶があるのはA Modest Proposal(『穏健なる提案』)かな。
ウェブには「スウィフトの諷刺文書の中でも最も強烈な傑作」という評価も見られます。
当時のアイルランドは恐ろしく貧しかったのですが、国を窮状から救うために、「アイルランドの赤ちゃんをイギリスの貴族の食料として売る」という提案をしごくマジメに、最もたる理由を並べて綴った作品。
読んでいると、「なるほど、たしかに」と思えてしまうのが非常に怖い
これ。。。読み聞かせしようかなぁ。ちょっとさすがに強烈かなぁ😅
ちなみに最近は、風刺ではありませんが、若草物語を読み聞かせています。
ちょっとジャンルは違うけど、4姉妹ー3兄弟、というつながりで、楽しめるんじゃないかな、って
この作品は登場人物の描写も秀逸ですしね。
「あーーぼくベスっぽいね。シャイだし」「どこが〜」みたいに、ちょこちょこ自分たちと重ね合わせながら楽しく聞いてくれています
物語をたくさん心に入れることは、世界を相対的に捉えることにつながります。
それでなくても子ども(特にティーンエイジャー)は自分の世界、自分の周りで起きていること、自分の頭の中の考えにとらわれがちだけど、いろんな物語に触れることによって、これってよくある話なのかな、こーゆーヤツ学校にもいるな、こういう反応もあるのか、と、様々な状況をもっと鳥瞰的な視点で見られるようになるでしょう。
これは、今後生きていく上で大きな力です
親の仕事の1つには、子どもの世界をどんどん押し広げてあげることもありますよね。
そこから、もっと世界をまたぐ、インパクトの大きい仕事をしたい、っていう気持ちが生まれるかもしれないし。
(それが必ずしもいいというわけではなく、視野を広げて他の例を知ることによって、自分しか興味がないような専門分野にハマっていくのもよし)
そういう意味では映画もいいのですが、なんといっても文学作品の強みは、普段は絶対アクセスできない他人の思考回路や気持ちの動きを覗けることですね。
読み聞かせ時の子どもたちの反応を見ていても、そこに興味を惹かれているのがわかります。
読み聞かせに良さそうなオススメ本があれば、ぜひどんどん教えてください