ロックダウンって何?

フランスではロックダウンが始まって19日が経ちました。まだ最低でも10日は続くようですが、経ってみれば意外とあっという間だったような気がします。

 

日本でも多くの地域で先週から外出自粛が出され、SNSを見ていると危機感を持っている人と危機感を持たずにいる人と二手に分かれてきたなと感じがします。。

 

感染者が増加しており今後の政策等が気になるところではありますが、最近よく耳にするロックダウンについてのお話です。そもそもロックダウンという言葉自体、コロナウイルス が流行してから日本でも使われるようになりました。

 

ロックダウンとは・・

Wikipediaによると

 

ロックダウンは、緊急時において公共の施設や道路などで、外部からの進入者に対して内部の人間の安全確保のため建物を封鎖すること。また、人々の抑留や、屋外活動を禁止して監禁することを意味する。また、緊急事態において人の移動や情報の出入りを制限すること。

 

だそうです。

 

私はこの言葉を日本のメディアから知り、とてつもない違和感を覚えました。

『ロックダウン(都市封鎖)(外出禁止)』

(このカッコ書きいる?日本語だけでいいやんって言うのが第一感想。)

 

ちなみにフランス語では、ロックダウンではなく「Confinement (コンフィヌモン)」という単語を使います。

 

 

言葉の持つイメージ

 

日本のテレビニュースからロックダウンの言葉を聞いた時、既にフランスではロックダウン中でしたが、実際体験しているものよりも、なんだか不安要素が強いなと感じました。

それが先に言った違和感なのかもしれません。

そこで思ったのは、言葉が持つイメージに関係しているのかなと感じました。

 

 

ロックダウン

 

 

どちらも簡単な言葉で小学生でも理解できると思います。

ですが、この2つの言葉はどちらもマイナスイメージが多い言葉です。

 

見慣れない衝撃が大きい横文字、そしてその言葉に付随してテレビメディアが作り出す視覚的効果によって、さらに不安が掻き立たされるように私は感じました。

 

ロックダウンの本来の意味は「独房への監禁」、フランス語のコンフィヌモンも「閉じ込め」や「監禁」という意味で、まあどちらもあまりいい言葉ではないのは確かです。

 

ただ今回使われているロックダウンは人をウイルスから守るための言葉です。

言葉だけのイメージで「大変な事」「不安」「心配」などマイナスの方へ脳内変換をされていませんか?

 

今の日本の様子を見ていて感じるのは、その不安から反発している部分てあるんじゃないかなとか思ってしまいます。(お花見とか気分転換にピクニックとか・・)

 

 

私は、フランスにいるからフランスの現状しか分かりませんが、ただ今回世界の半分以上の国と地域で行われているロックダウンは、コロナウイルスから身を守る現段階での唯一の方法です。

 

 

実際始まって数日経つと、そんなに不安なものでも、大変なことでもありませんでした。

ロックダウンが開始されたのは、大統領からの発表があってから16時間後です。

しかし始まってみれば意外と冷静に、そして外出制限が開始される前よりかなり落ち着いた生活になりました。その要因としては、大統領が発表時に経済活動面での確実な支援をすると説明したことも大いにあったと思います。

 

(↑誰もいないパリの中心地・普段交通量がかなり多い大通り)

 

 

ロックダウンに付属する規則

ロックダウンをして外出禁止になっても、それに付属する規則があります。

 

フランスの場合だと、

・仕事に行っていいよ(許可された仕事のみ)

・買い物に行っていいよ

・病院や薬局に行っていいよ

・散歩やランニングはしていいよでも1日1回、家から1キロ以内で1時間以内には戻ってくるんだよ)

・子供と外に行っていいよ。でも付き添いの親はどちらか片親だけね

というように、分かりやすい規則があります。

 

そして規則を守って外出する時は、

「外出許可証持って外出してね。」

そういった政策をフランスは行っています。

 

 

この許可証を携帯することによって「ちゃんと私は規則を守ってます。」という証明になるのです。だから、規則上の理由があれば外にも行けます。

(あくまでもこれは自己申告書ですが、フランスではこのような証明書が多く存在します)

 

ですので、好きな時に買い物にも行けます。スーパーには普段通りの食料が並んでいます。

薬局もやっているし、銀行もやっています。1日1回散歩やランニングもOkです。

フランスではその規則を破ると罰則がありますが、その規則には最低限の生活は守られています。

 

 

ただ普段と違うことは、

「人と距離を取る」「家にいること」

そして、

「病気に掛からない生活をすること」と「他人にウイルスを移さないこと」

それだけです。

 

外出禁止という言葉もありますが、完全にすべて禁止という国はないと思います。

イタリアでもフランスよりは制限が厳しいようですが、買い物には行けているようです。

 

だから、言葉だけではなくその規則も言葉の意味に入れて、言葉の意味だけに惑わされずに理解することも必要です。

また、何かしらの指示を待つよりも、メディアを上手く利用して自ら正しい判断をして行動した方自分のため、自分の周りの人のためになるのかなと思います。

 

 


 

フランス外出制限19日目

夏時間に変わったことにより、日の入り時間が20時を過ぎるようになりました。

 

来週末は復活祭の祭日で、本来であればイースターバカンスに入ります。

フランス人にとってバカンスは大切なもの。このロックダウン中でもバカンスのために移動しようとしている人もいるようで、警察は取り調べをさらに強化し、レンタルハウスなどの営業を厳しく取り締まっているようです。

また、パリの地域圏であるイルドフランスでは、このロックダウン前後に100万人近い人々が他の地域圏や離島に一時的な避難をしたそうで、他の地域では急な人口増加による病院や診療所の人手不足も問題視されているようです。

 

そんな中フランスでは、当初マスクは感染予防にはならないという呼びかけが多かったのですが、最近になってようやくマスクは感染者や濃厚接触者以外にも感染予防の効果があるという認識がされて、マスク着用を強く推奨するようになりました。近くフランス政府側から義務付けられるかもしれないというニュースもありますが、市民への配布はなく、また購入もできないので、自分で作ってくださいとのことです。

私としては、これを機に風邪を引いたらマスクをつける習慣が身について欲しいものです。

 

 

 

どこの国でも問題は沢山あるし、改善点も多い。だけど、誰も経験したことのないこの状況下で100%完璧に問題なく乗り越えられるとは思えませんので、ここから学ぶことも多いかと思います。ここで大事になるのは、それをただ批判するのではなく、議論できるかどうか、また的確な案があるかどうかなのかなと思います。

 

 

私自身この外出制限を機に家に1人でずっといて、気づくことが沢山ありますし、そこから学ぶことが多い日々です。

 

 

 

Next・・・

 

 

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