最近は母とお出かけしても、私には楽しい時間ではなく、母との会話は毎回自宅に戻るから始まり、
本心では一人暮らしをする不安の方が勝っている母は、母にとっては窮屈な現状から逃げたい気持ちと一人暮らしの不安が複雑に絡み合い、気持ちが収まりきらず、結果私に当たり散らし…
最後には喧嘩別れ…
その繰り返し…
さすがに疲れ果て、姉の引っ越しもあり母とは距離を取っていた私。
姉の引っ越しも終わり、いよいよというか、とうとう私に母を連れて出かける時間が出来てしまいました…
お出かけを楽しみにしてくれるなら良いのですが、
どこに行く?何する?という楽しい電話ではなく、
何日も前から、何かと言うと相変わらず自宅で一人暮らしをするばかりを口にする母…。
別に母の人生だから一人暮らしに戻るのに頭から反対しているわけではないのですが、86歳。
病気になる前から一人暮らしが辛く感じ始めていた母。
まして今は口に出した途端、言った言葉を覚えていない現状。
一人暮らしは危険なレベルです。
本人も気づいてはいるのでしょうが、認めたくないのでしょうね…。
また今回も喧嘩したり、母のかまって欲しいだけの「死にたい」の連呼を聞くのかと思うと全く気が進まず、体調悪いと断ってきたら良いのになあと期待しつつ…
でも何の連絡も来ないため
重い気持ちを抱きつつ、今回は自宅に連れていき2~3時間過ごすことに。
迎えに行くと、なぜだか裁縫セットや化粧品一式袋に詰めて準備していました。
このまま自宅から帰らないというのかなと思うと、気が滅入りつつ、まあそれならそれで良いかと、半ば開き直りながら実家に。
庭の草を見て、
「やっぱり住んでいないと家は荒れる」
と言いつつ、草取りするわけでもなく家の中に。
私もしたいことがあったので、自由に過ごしてもらうことに。
あれだけ帰ると言い張っていたのに、久しぶりの自宅で何をして良いのか分からない様子。
夏服を気に入っている物だけ仕分けするよう提案。
判断力がかなり鈍っているようで、全く作業は進まないようですが、
これから着れそうな服だけとりあえず選べたかな。
着たい服ではなく着れそうな服というのが母らしい…。
少しでも楽しい時間をと思い、母を迎えに行く前にお気に入りのお店でお菓子を買ってきたので、おやつを食べることに。
珍しく「美味しい」と喜んで食べてくれていました。
16時を過ぎると自分から
「嫌だけどそろそろ戻らないといけないね」
と。
ホッとしました。
帰り道半分くらい来たところで、父の仏壇にお参りしてこなかったと…
車の中で手を合わせていました
施設に入っている方は皆さん夫の遺影や位牌を一緒に持ってくるらしく、施設の方からも持ってきて良いと言われているのですが、全く持っていく気配のない母。
今回はさすがに、仮面夫婦だったのかと
大荷物をもってまた施設に戻った母。
裁縫箱を見て、
「こんなもの持って行ってどうしようと思たのか?」
と自分であきれていましたが、
「家出ならぬ施設出しようと思ったけど帰ってきちゃった」
と…。
母自身少しは施設なのかなあとは思っているようです。
母も母なりに自分の現実と向き合っているのかもしれませんね。
今回自宅で過ごせて、それだけでも満足したのかもしれません。
ちょこちょこ自宅に戻りながら、母に自由な時間を過ごしてもらう…
それだけでも満足するのかもしれませんね。
久しぶりに母と出かけ、もう少し一緒に出かける時間を作ろうかなあと思えた私でした。