きゅぅっと
こころが冷たくなって。

真夜中にひとり。 

月明かりの下を歩く。


この 静かな夜に
ふと襲ってくる 寂しさはなんだろう。

たった ひとりきり。
取り残されたような。

なんともいえない
不安な気持ち。



声にならない声。
どこにも届かない感情。



月を見上げる。


優しい銀色の光が
いつもと変わらず、そこにいてくれる。

その周りで 
いまにも消え入りそうな

淡い星達の光が 
静かに寄り添っている。



自然と 
涙が 頬をつたう。


ふっと。

そんな自分が
可笑しくなって 笑う。



ぼんやり滲む 月光をあびながら。

不思議だね。


優しい銀色の光に 
いつのまにか このもやもやが溶けていく――。




帰り道。


月は 変わらず、そこにいて。

優しい銀色の光で 照らしてくれた。