アッシュズ・トゥ・アッシュズ/デヴィッド・ボウイー | NudgeNugdeのブログ

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Ashes To Ashes / David Bowie

灰は灰に

No.502

 Space Oddityから10年、ベルリン三部作を経て作られたアルバム、Scary Monsters(1980年発表)からのシングル、Ashes To Ashes。このアルバムは1曲目(It's No Game)にいきなり日本語のセリフが流れる(バッドカンパニーのポール・ロジャースの奥さんの声)んで、当時ぶっ飛んだんですが、それだけではなく、この曲も衝撃的でした。のっけから、この歌詞です。

Do you remember a guy that's been in such an early song
I heard a rumor from ground control
Oh, no don't say it's true
They got a message from the action man
 覚えているかい、昔のあの曲で登場した男のことを。
 地上管制塔から噂を聞いたんだ。
 いやいや、本当かどうかわからないけどね。
 その男からメッセージを受け取ったらしいんだ。

 このa guy in such an early song、the action manが、Space Oddityのトム大佐(Major Tom)を指しているのは明白です。地上管制塔(ground control)があるわけですからね。行動した男(the action man)とは、自分から消息を絶つという行動を取った、ということですね。ボウイーの歌に登場する男(トム少佐もスターマンも)はみなボウイー自身の投影である、と言われていますが、サビのところでさらに驚かせてくれます。

Ashes to ashes, funk to funky
We know major Tom's a junky
Strung out on heavens
High leading an all time low
 灰は灰へ戻り、ファンクはファンキーの元へ。
 トム少佐はヤク中毒(ジャンキー)なのさ。
 天国まで高く伸び上がったと思えば、
 ほぼずっといつも憂うつな状態で過ごしたのさ。

 ashes to ashesは、キリスト教の埋葬の儀式に用いられる「土は土に、灰は灰に、塵は塵に(earth to earth; ashes to ashes, dust to dust)」というお祈りの言葉の中の一節。また、Major Tom is junky(トム少佐はドラッグ中毒)から、トム少佐=過去のボウイー自身を弔う鎮魂歌であると考えられます。funkはfunkyな人のもの、junkyはしょせんjunkyさ、僕(ボウイー)もそうだったんだよ、という、自分の過去の吐露の一つ、だと思います。なんでここでfunkかというと、funkyとjunkyは韻を踏むための言葉遊びでしょう。junky(ドラッグ中毒)に合う言葉を探した、ということ。funkには「憂うつ」と、ブルースとジャズを組み合わせた音楽用語での「ファンク」があり、funkyには「カッコいい」と「ファンクミュージックっぽい、リズムがある」という意味があります。まあ、どっちでもいいでしょう。funk to funkyは、日本盤の歌詞カードには「憂うつは素晴らしさに」とあります。確かにfunkyにも「カッコいい」の意味がありますが、私はこの訳し方には違和感を覚え、funky,junkyで考えるべき所じゃないでしょうか、と思っているわけです。

 トム少佐を追悼し、このアルバムの後、Let's danceでfunkに近づいていくボウイー。いやきっと、自分自身は元来funkを演奏するfunkyな男だったんだよ、とでも言おうとしているのかなあ。そう感じさせる曲です。

 歌詞はこちらから。いつものサイトでは載っていませんでした。
http://j-lyric.net/artist/a04ceac/l019e3b.html


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灰は灰に


覚えているかい、昔のあの曲で登場した男のことを。
地上管制塔から噂を聞いたんだ。
いやいや、本当かどうかわからないけどね。
その男からメッセージを受け取ったらしいんだ。(*1)
「私は幸せです。皆さんの幸せを祈っています。
私は全てに愛を捧げてきたし、私には愛が必要だったのです。」と。
つまらない詳細は次の通り。(*2)

「この何もない空間から来る叫びが、私たちを殺そうとしている。
日本人の女の子たちの姿が重なって見える。(*3)
私にはお金がなければ、髪もない。
蹴っ飛ばしてやろうと思っているんだけど、
この惑星は輝いているんだね。」(*4)

灰は灰へ戻り、ファンクはファンキーの元へ。
トム少佐はヤク中毒(ジャンキー)なのさ。(*5)
天国まで高く伸び上がったと思えば、
ほぼずっといつも憂うつな状態で過ごしたのさ。(*6)

よく僕は自分に言い聞かせるんだ、今夜はきれいな身体でいよう、と。
でも、この小さな緑の輪っかが、
僕を追っかけてくるんだ。
いや、今はもうないけどね。(*7)
大切な友だちとは縁は切れないし、(*8)
僕は幸せだし、みんなの幸せも祈っているよ。
パッと光が輝いたのだけど、
それは銃口の煙ではなかったよ。

良いことは何もしてこなかったし、
悪いことも何もしてこなかった。
地球の外でも、何もしなかったよ。(*9)
氷をたたき壊す斧が欲しいんだ。
すぐにでも降りていきたいんだ・

灰は灰へ戻り、ファンクはファンキーの元へ。
トム少佐はヤク中毒(ジャンキー)なのさ。
天国まで高く伸び上がったと思えば、
ほぼずっといつも憂うつな状態で過ごしたのさ。

ママがよくこう言ってくれたんだ。
やるべき事はちゃんとやりなさい、
トム少佐を馬鹿にしちゃダメよ、って。(*10)

<注釈>
*1 本文記事参照

*2 sordid details following
sordid:むさくるしい、あさましい、さもしい

*3 The shrieking of nothing is killing us
 Visions of Jap girls in synthesis
shriek:金切り声を出す、synthesis:統合、合成
ここはドラッグ中毒による幻影の一つかな。

*4 And I'm hoping to kick but this planet is glowing
 トム少佐が地球の外から眺めて話している、と言う感じですね。

*5 本文記事参照

*6 Strung out on heavens high leading an all time low
string outの過去形strung out:広がる、伸び上がる
 highに伸び上がると思えば、普段はいつも(all time) lowな気分。

*7 Time and again I tell myself I'll stay clean tonight
 But these little green wheels are following me,
 oh, no not again
 time and again:繰り返し、しばしば
 stay cleanとは、ここではドラッグをやっていないきれいな身体、ということですね。でもドラッグの幻影はまだ残る、それが「小さな緑の車輪が僕を追ってくる」と表現。でも、「もうなくなったけどね、とドラッグから脱却したことを伺わせる。

*8 I'm stuck with a valuable friend
 be stuck with ~:~を捨てたいが捨てられない、~との人間関係を絶ちたいが絶てない、嫌な仕事を押し付けられている
 前段で、not againと言いつつ、a valuable friend=drugだろう とは縁を完全に絶ちきっていないのかな。

*9 I never did anything out of the blue
 out of the blueは「突然に」の意味ですが、ここでは、トム少佐g主人公なので、地球の外にいるのであって、blue = blue planet = planet earthと考えるのが適当でしょう。

*10 My mama said, to get things done, you better not mess with major Tom
 get things done:物事を(すべきように)させる、つまり、仕事をちゃんと片づける、ということ。
 mess with~:~をからかう
 トム少佐を他人事と笑っちゃダメよ、ということなんでしょうね。

Translated by hotel_zihuatanejo