アヴァ・アドア/スマッシング・パンプキンズ | NudgeNugdeのブログ

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Ava Adore / The Smashing Pumpkins

敬愛するアヴァ(エヴァ)よ、君こそ運命に女なんだ

No.499

 問題作(というか問題作PV)を作り続けたスマパン。90年代のグランジ・オルタナティブの時代の代表的なバンドですね。リーダーのビリー・コーガンの声は、好き嫌いが分かれるでしょう。どちらかというと私は好きではないタイプの声質ですが、メロディや歌詞は魅かれるんです。また、聞いているうちに病みつきになるんですね。
 そんなわけで、500訳詞も目然に控えたこの時期に、彼らの一番売れなかったアルバムAdore(アドア)からのシングル、Ava Adoreを取り上げます。1998年発表。このアルバムは、ドラマーが抜けた後、ループや打ち込みを多用し、ファンの間では賛否の分かれるアルバムとなりました。その代表的な曲がこれ。
 タイトルの意味はしばらくは分かりませんでした。ラブソングだな、というのは歌詞を読めばすぐにわかるんですが、adore(崇拝する、敬愛する)の前に付いた「Avaって誰?」という疑問が解けなかったんです。しかし、PVのイメージやら、スマパンのファンサイトの記事を読んだりして、私なりに考えてみたのが次です。
 Avaは女性名のEvaの今風の書き方。Evaは旧約聖書のEve(「アダムとイヴ」のEve)に由来します。Avaといえば、50~60年代に活躍した女優エヴァ・ガードナーが有名です。彼女はエキゾチックな魅力を持った女優で、ファム・ファタール(仏:Femme fatale)つまり「運命の女、運命的に出会った女性、魔性の女」を演ずる代表的な女優として知られています。
 PVは、ビリーやメンバーが登場するバックで、まるで映画の撮影現場のような様々なセットが移動カメラに合わせて写されています。
 昔の映画への郷愁とともに、「ひょっとすると俺を破滅させるかもしれない魔性の女かもしれないけど、お前は俺にとって運命の女なんだ」ということなんじゃないかな。

 ビリーの歌詞はいつも一ひねりしていて、解釈するのが楽しくなります。(ただ、決して明るい歌ではありませんが、ね。)


 歌詞はこちら。いつものサイトとは違います。
http://www.songmeanings.net/songs/view/239/
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敬愛するアヴァ(エヴァ)よ、君こそ運命に女なんだ


僕が敬愛するのは、君なんだ。
ずっと僕の「魔性の女」なんだよ。(*1)
僕の子どもの母親になってくれるんだろ。
それに、僕の心にとっての子どもでもあるんだ。(*2)
僕たちは離れ離れになってはいけないんだ。

君は僕の世界で一番の美女。
君なしなんて、どんな理由も見つからないさ。(*3)

君の曲がった歯を抜いてあげよう。(*4)
僕のように完璧になれるよ。
僕のベッドでの恋人になるんだから。
僕の頭につきつけられた銃なのかも。
僕たちは離れ離れになってはいけないんだ。

(*5)
君の中で、汚れを目にする。
君の中で、星を数える。
君の中で、可愛さを感じる。
君の中で、神を嗜める。
君の中で、空腹を感じる。
君の中で、車をぶつける。
僕たちは離れ離れになってはいけないんだ。

水銀を飲み込むようなもの。(*6)
君がこれからも探し求めるべきものは、全てのミステリーへと続く。(*7)
君は僕の世界の殺人鬼なんだ。
僕が残していった心の棺を飾っておくれ。(*8)
そのうちに、
僕たちは離れ離れになってはいけなくなるんだよ。

<注釈>
*1 You'll always be my whore
whoreは俗語・蔑称で「売女」。ただ、ここでは悪い意味ではなく、「お前は魔性の女」という意味合いでしょう。

*2 You'll be the mother to my child
And a child to my heart
childを2度使って、言葉遊び的にもなってるんじゃないでしょうか。

*3 Without you there aren't reasons left to find
 君なしでは、残された(left)見つかるべき理由はない。つまり、君なしでいるって理由は僕には見つからない、君なしではいれらない、ということ。かなり遠回しな言い方。

*4 And I'll pull your crooked teeth
 crooked teethは、曲がった歯並びのこと。普通は矯正するんですが、pullしちゃうよ、というのが、ビリーの過激なところ。

*5
In you I see dirty
In you I count stars
In you I feel so pretty
In you I taste God
In you I feel so hungry
In you I crash cars
We must never be apart
 dirty(汚れている)、stars(輝いている点)、pretty(可愛い)、God(神=崇拝すべき人)、hungry(「愛に」飢えている)、crash cars(車がぶつかるくらいの、激しさ)。これらを全て、君の中に見いだしている、ということ。

*6 Drinking mercury
 体温計・温度計の中の水銀柱がmercury。そんなのを飲み込んだら危険極まりない。君を愛することは、それほど危険、ということ。それほどの魔性の女、なんですね。

*7 To the mystery of all that you should ever seek to find
ここのofは同格(イコール)のofでしょう。つまり、ミステリー=君がずっと探し求めるべき物。またtoは方向を示す、とみました。そんなミステリーへと、二人の愛は続いていく、と。

*8 Dressing coffins for the souls I've left behind
直前にmurder(殺人)が出てきています。君を愛して、それが死に至っても、僕を棺に詰めて、君の想いをこめて埋葬してくれ、ということかな。相変わらず、破滅的なビリーの歌詞。

Translated by hotel_zihuatanejo