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Anarchy in the U.K. / Sex Pistols

イギリスに政府なんかいらねえ

No.400

 ついに訳詞400記事目に達しました!われながら、飽きずに懲りずによく続けてこられたなあ、と思っています。それも、今日でブログ開設まる3年!それに20万ヒット間近!

 そのキリ番記事は、前回のThe Whoの"Who Are You?"誕生のきっかけとなったパンクロックでいきましょう。Sex Pistolsの代表曲"Anarchy In The U.K."です。パンクのアンセムにもなってますね。76年発表です。
 
 パンクロックは、ロック界の革命でしたね。音楽をするには楽器のテクニックと歌唱力は必要不可欠、と思っていた頃に登場したのがパンク。ギターはコードをかき鳴らすだけ、ベースもドラムスもシンプル、歌はがなり立てるだけ。メッセージはただただ過激にアジテーション。既成概念を根底から覆しながら、人を魅了するという音楽の力をしっかりと持っていたのがパンク。「俺でも音楽はできるんだ」と思わせる魅力がありました。パンク登場当時の私は、まだまだ演奏技術至上主義の考えが抜けきらず、のめり込むには至りませんでしたが、ブームが過ぎた後に残った新人バンド(ポストパンク世代)、ポリスやXTC、ストラングラーズなどを聞くようになりました。

 前置きが長くなりました。さて、この曲、タイトルからして anarchy(無政府主義)ですから、過激なのは言うまでもありません。そして歌詞も、

I am an anti-Christ. (俺は反キリスト教さ)

ですからねえ。イギリスの多くの人は、アメリカほどキリスト教に熱心じゃない(日曜に教会に行くのはアメリカ人が多い)のは、知り合いのイギリス人からよく聞きましたが、「アンチ・キリスト」とまで言い切るのは凄いこと。今、アフリカや中東、そして中国にも広がりつつある反政府デモは、政府を倒そうというもの。この歌にも通じそうですが、anti-神様 ではありませんし、政府がいらない、のではなく、今の政府よ倒れてくれ、です。anarchyまでには至りません。パンクのもつエネルギーの大きさは相当なものなんです。
 
 映像はこちら。音はスタジオ盤ですね。
http://www.youtube.com/watch?v=JQkActP-isE


 歌詞はこれ。
http://widget.lyricsmode.com/i/scroll2.swf?lid=133680&speed=4
http://www.lyricsmode.com/lyrics/s/sex_pistols/anarchy_in_the_uk.html
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イギリスに政府なんかいらねえ


さあ、いくぜっ!
俺は無神論者で
無政府主義者。
何がしたいかって、自分でもわかっていないが、
どうやったらいいかは、わかってる。
歩いてるやつら(passerby)、ぶっ倒したいのさ。
だって、俺は政府をぶっ倒したいんだ。
下っ端はもうゴメンだぜ。(*1)

イギリスのためには、政府打倒が一番。
そのうち、おそらく、そうなるさ。
俺は道路の信号なんかもむちゃくちゃな時間で止めてしまうぜ。(*2)
お前さんの将来の夢も、買い物計画程度にしちまうさ。
だって、俺は政府をぶっ倒したいんだ。
この街ロンドンで、な。(*3)

お前さんのお望みのものは手に入れる方法はどれぐらいあるんだ。
俺は一番良い方法を使うし、
残った最終手段も使うぜ。(*4)
敵だって利用するし、
政府を転覆させることだってやるさ。
だって、俺は政府をぶっ倒したいんだ。
それしかないんだから。

これじゃあ、MPLA(アンゴラ解放人民運動)とか、
UDA(アルスター防衛協会)とか、
IRA(アイルランド共和国軍)とかじゃないかって?
俺は、イギリスのことだって思ってたさ。(*5)
そうじゃなかったら、他の国のことかね。
貧しい公営住宅でのできごとなのかね。(*6)

俺は、政府をぶっ倒し、
無政府状態にしてやるんだ。
評判になるぜ。

政府なんかいらないんだよ。
俺の言いたいこと、わかるかい。

政府をぶっ倒し、無政府状態にするんだ。
酔っ払いみたいに、(*7)
ぶっ壊してやるぜ。


<注釈>
*1 No dogsbody
dogsbody:下働き  だから、政府をぶっ倒すぐらいのことをやらかすんだ、チンケな下働きなんかしないぜ、ということでしょう。

*2 I give a wrong time stop a traffic line
 交通(traffic line)を、間違った時間で止めてしまう。つまり、交通も混乱させてやる、ということ。

*3 I wanna be Anarchy in the city
 このthe cityはLondonのことでしょうね。
 
*4 How many ways to get what you want
  I use the best
  I use the rest
おそらく、I can use the best way or the rest. つまり、「望むものを手に入れるために、一番良い方法を使うし、いろんな方法の中で残った方法(the rest)=最終手段も使うよ」ということ。ベストであり、最終手段はanarchyだ、なんでしょう。

*5 Is this the MPLA or
  Is this the UDA or
  Is this the IRA
  I thought it was the UK
 この、MPLAも、UDAも、IRAも、テロや武力闘争を容認する政治団体。だから「政府転覆を狙う俺の行動は、彼らテロ組織と変わらない、とでもいうのかい?」。それに対して、「俺の返答は、イギリスだって同じだろ、やつら権力者も同じだろ」ということかな。

*6 Or just another country
  Another council tenancy
council tenancyとは、イギリスでは「低所得者向けの公営住宅」のことで、council flatとも言う。「それとも別の国のこと、別の公営住宅のこと」とは、「他の国の政府がやってる独裁政治のことかい、それとも、どこかの安い公営住宅で起きているケンカ騒ぎみたいなものかい」と言う風かなあ、と考えました。council tenancyを「借り物の議会」と訳す人もいますが、なんか変ですしねえ。労働者階級を意識したパンクですから、こんな風にしてみました。

*7 Get pissed
 pissed:(英)酔っぱらって、(米)怒って  ですが、まあここは、「酔っぱらって、怒って、周りをくちゃくちゃにする」ってことでしょう。

Translated by hotel_zihuatanejo