さとっちの幸福感
お年寄りと接すると、何故か大切なものを知る時があるので、
ヘルパーで訪問していて感じた事を書きます。
まず、認知症の方も様々ですが、
勿論、カッとなってしまったり、物盗られ妄想で不安がみなぎってる人もいますが。
ぽわんとしている、人に感謝している認知症の方が好きです。
そして、お年寄りの波長が合うんです。
リラックスできて、自分の気が緩む。
つい最近、素敵なエピソードが出来ました。
それは、とても可愛いおばあちゃんで、半ボケさんでごめんね。ボケ婆さんはノロマでね。動きが鈍くて嫌になっちゃう。ていつも言っているおばあちゃんの話です。
デイサービスの送り出しで、朝食を提供して、時間があってたので、部屋にある工業用のような足踏みミシンをみて、昔はミシンで何か作っていたんですか?と訪ねたところ、
忘れちゃってわからない。と返事してました。
デイサービスが迎えに来た時に、私が襖を奥まで押し込んで開いていなかったせいで、中間の位置にあるお仏壇が隠れていました。
お仏壇が、閉じていたので、デイサービスを待たせて、おばあちゃんは、お仏壇の扉を開き、お水を台所に汲みに行きました。
台所から戻って来る距離もゆっくりなので、デイサービス待たせてるからと、さとっちも少し焦らせてしまったのですが、
おばあちゃんが、お父さんこんなんでごめんね。と言いながら、お仏壇を整理して、玄関へ出ていきました。
お仏壇の事を把握できていなくて待たせてしまっていた事を反省して、さとっちも先にお仏壇を整えられるようにしましたが、
ミシンの事を忘れても、10分前の食べた朝食を忘れても、旦那さんの事はずっと記憶に残っていて、
出かける前に、お仏壇を大切にしているおばあちゃんの姿が素敵すぎました
そして、何故か落ち着く、そのおばあちゃんの家。
団地できれいとも言えない、ザ、昭和な家具と、襖と、ビリビリカーテンのある部屋。
だけど、優しさが部屋いっぱいに広がっていて、座ってぼーとしていたい、懐かしいお部屋です。
綺麗な部屋がいいけど、何故かそのおばあちゃんの家は物凄く落ち着くんです。
さとっちは、さとっちにとっての溢れ出しているおばあちゃんの優しさが幸福感であると感じました。