覚せい剤取締法違反の疑いで逮捕されたＣＨＡＧＥ ａｎｄ ＡＳＫＡのＡＳＫＡ（本名宮崎重明）容疑者（５６）に、「アンナカ（安息香酸ナトリウムカフェイン）」を処方していた「平石クリニック」（東京都港区）の運営会社が東京地裁へ自己破産を申請し、破産手続き開始の決定を受けたことが１１日、分かった。決定は６月６日。
帝国データバンクによると、破産したのはクリニックなど４社を運営していた医療法人社団貴生会。負債は４社合計で１０億１７８０万円。
代表の平石貴久氏は、ＡＳＫＡ容疑者逮捕後に「主治医として５年前からアンナカを処方していた」と公表。ＡＳＫＡ容疑者は逮捕直後、覚せい剤の所持や使用を否認し「アンナカのつもりだった」と供述していた。
平石クリニックは９３年設立。内科、循環器科、消化器科、整形外科などで、スポーツ医学にも精通。元プロ野球選手らに打つ「ニンニク注射」などの診察が話題を集め、平石氏は人気アーティストのコンサートドクターも務め、０５年４月期には年間売上高約３億４８００万円を計上していた。
プロゴルファーらスポーツ選手や、芸能人ら富裕層への保険外診療に依存するため、患者数が安定せず、診療報酬は年々落ち込んでいたとみられる。赤字計上が続き、１０年には法人としての実質的な活動を停止。１２年３月には設立認可取り消しとなっていた。
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