【書評】予防接種は「効く」のか? ワクチン嫌いを考える
予防接種は「効く」のか? ワクチン嫌いを考える (光文社新書)/岩田 健太郎

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筆者は、外来で診察、腕に注射を打つ現役の医者である。
ワクチン開発者とかウィルスの専門家ではない。
学者ではなく、現場の人間が書いた文だから論理的でなおかつ平易で読みやすい。
僕は昨年、AB型肝炎、狂犬病、破傷風のワクチンをベトナムで受けてきたので関心があって手にしたのが同書。
ベトナムに限って言えば駐在員をのぞけばワクチン接種をしている日本人は極少数で、ワクチンの話になると、「抵抗力をつけておけばならないよ。」「なる人はなる。ならない人はならない。」と言った個人の体験を唯一解として予防接種不要論が大半を締めているのが僕の感想である。それに対する反論をシートベルトにたとえた話もわかりやすいのでそのまま引用する。
「俺は今までワクチンなんか打ったことがないけど、インフルエンザになったことなんかないよ。だから大丈夫だよ。」というのは、「俺はシートベルトもせずに運転をしてきたけど一度も事故にあってない。だからシートベルトなんていらない。」というのと全く同じ論理構造をしています。
ワクチンの筆者の結論はこうだ。
ワクチンは打っても打たなくてもほとんどの人に害も利益もない。
害は副作用で、利益はそのワクチン接種によってその病気が防げたことになるのだがマイナスに当たる部分(ワクチン代、打たれた場所の痛み、時間)は目に見えてわかるがリターンに関しては目に見えないだけでなく確認できない。予防接種を受けたことによって、その病気を防いだのか因果関係は確認できない。
これが、多くの日本人が予防接種を打たない理由だろう。
僕が一番気に入った箇所はここだ。
ワクチンを接種するのはもちろん自分が病気になることを防ぐためだが、集団免疫といってみんながワクチンを接種するとその周囲にいるワクチンを打っていない人も病気にかかりにくくなる。
ワクチン接種は、自分が病気を移されないためにといった利己的な意味ではなく、普段付き合う人たちを大事な人を病気から守ることになる。

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筆者は、外来で診察、腕に注射を打つ現役の医者である。
ワクチン開発者とかウィルスの専門家ではない。
学者ではなく、現場の人間が書いた文だから論理的でなおかつ平易で読みやすい。
僕は昨年、AB型肝炎、狂犬病、破傷風のワクチンをベトナムで受けてきたので関心があって手にしたのが同書。
ベトナムに限って言えば駐在員をのぞけばワクチン接種をしている日本人は極少数で、ワクチンの話になると、「抵抗力をつけておけばならないよ。」「なる人はなる。ならない人はならない。」と言った個人の体験を唯一解として予防接種不要論が大半を締めているのが僕の感想である。それに対する反論をシートベルトにたとえた話もわかりやすいのでそのまま引用する。
「俺は今までワクチンなんか打ったことがないけど、インフルエンザになったことなんかないよ。だから大丈夫だよ。」というのは、「俺はシートベルトもせずに運転をしてきたけど一度も事故にあってない。だからシートベルトなんていらない。」というのと全く同じ論理構造をしています。
ワクチンの筆者の結論はこうだ。
ワクチンは打っても打たなくてもほとんどの人に害も利益もない。
害は副作用で、利益はそのワクチン接種によってその病気が防げたことになるのだがマイナスに当たる部分(ワクチン代、打たれた場所の痛み、時間)は目に見えてわかるがリターンに関しては目に見えないだけでなく確認できない。予防接種を受けたことによって、その病気を防いだのか因果関係は確認できない。
これが、多くの日本人が予防接種を打たない理由だろう。
僕が一番気に入った箇所はここだ。
ワクチンを接種するのはもちろん自分が病気になることを防ぐためだが、集団免疫といってみんながワクチンを接種するとその周囲にいるワクチンを打っていない人も病気にかかりにくくなる。
ワクチン接種は、自分が病気を移されないためにといった利己的な意味ではなく、普段付き合う人たちを大事な人を病気から守ることになる。