夏の日、あなたはなにを思い出す?

夏です!暑い、汗が吹き出る、冷たいものが恋しい・・・、そんな時に、以前のある

 

夏の日のことを瞬間的に思い起こすことってありますよね。まるでその時に引き戻され

 

たように、その時の映像が浮かび、部屋の様子や、その時にかかっていた音楽まで聞こ

 

えてきます。まるでその時の感情がありありと体感できるようです。普段は思い出すこ

 

となどないようなことを思い起こすこともよくあります。

 

私たちの脳内には過去のデーターが保存されています。脳は今感じていることを理解

 

するために、過去の膨大なデーターを参照するのです。そして、今の状況を手がかりに

 

して過去の似た経験にアクセスします。そして、過去のデーターに照らし合わせて今の

 

状況を理解しようとするのです。

 

つまり、今、なにを感じるかは、過去の似た体験と突き合わせながら情報処理してい

 

るわけです。

 

とても単純に言うと夏に楽しい経験を多くしてきた人は、夏が好きになります。暑い、

 

夏だ、と感じると過去の楽しい体験がよみがえってきて、暑い今も楽しいと考えます。

 

そうすると、それにあった情報を五感を使って探し始めますから、次々とそれを見つけ

 

ます。「青空が綺麗だ、汗をかくのは気持ちいいな、冷たいジュースは夏こそ美味しい

 

よな、なんといってもかき氷だよね・・・」次々と過去の楽しさを裏付けるような行動

 

をして自分の考えが正しいことを証拠付けるのです。そして、「ああ、やっぱり夏はい

 

いな」となるわけです。

 

しかし、その反対もあるわけです。夏に「やりたくない手伝いをさせられて嫌だった、

 

冷たいものを食べてお腹を壊し下痢をして恥ずかしい思いをした、お盆にはあの会いた

 

くない叔父に会わなければいけない・・・」次々と過去の嫌だったこと、苦しかったこ

 

とが浮かんできて、それにあった苦しい情報を五感を使って探し始めます。どうなるか

 

はすぐわかりますね。

 

楽しい方は当然良いのですけども、過去の苦しさや嫌なことで、現在も苦しい嫌な情

 

報ばかり無意識のうちに探しているとしたら、また今、目の前にある楽しさや嬉しさを

 

みすみす見失っていることに気づいていないとしたら・・・、これは残念なことです。

 

そんな過去のことなんかどうしようもできないんだからしょうがない、と思い込んで

 

いませんか?

 

それがそうじゃないんですね。過去だからこそどうにでもできるんです。

 

そのことについては次回に。