さみしいさみしいさみしいさみしいさみしい。

明け方になると急にさみしくなる。抑え込んでたものが明るくなり始めるくらいの早朝の空と一緒にまわる。還る。

わたしはチェリーはお母さんが大好きだ。家族に愛されて生き続けてきた甘ちゃんだ。いまでも大好きなんだ。反発する想いがぶつかって言葉にする前にどこかへ行っちゃう感情が、夜明け前の空を見ると溢れ出してくる。

どうでもいいんだと思い込むけど、どうでもいいわけない。だってチェリーは甘ちゃんのすねかじりのくだらない子供なんだ。お母さんが好きで好きで現実がどうしても認められない。

お母さんだと思ってはいる、けど以前の強い強い母親じゃないから別人だと言い聞かす。かなしいさみしいさみしいさみしい。いるのにいない。いるのにいない。いないのにいないのに。

わたしは間違っている。わたしだけがおかしいんだ。思い込みたい。思い込みたいから。認められない。認められないから思い込む。けれどほんとうは間違ってるってわかっているんだ。わかりたくないだけで、きっとわかっているんだ。

いるのにいないことが信じられなくて傷つきたくないし傷つけたくない。痛みを超える痛みを。

母親を否定するってことは自分の起原を否定するってことで、子供をまもるお地蔵さんも母親を大切にしないチェリーをまもってはくれない。チェリーは毎日お地蔵さんに挨拶しているけど、きっとまもってはくれない。お地蔵さん、こんにちは。

ほんとうに死ぬときは、彼に言う。約束まもれなくてごめん。わたしはわたしが大好きだから、死なない。

けれどもこんなわたしが生きてていいわけない。死んでもなんにも変わらないのが癪だから死なない。朝になる。