豆腐屋は今日も忙しい。
豆腐屋の仕事は豆腐を作ることだ。
豆腐屋は毎日せっせと豆腐を作り
全国各地の建築現場へと出荷する。
届いた豆腐は家となりビルとなり橋となりトンネルとなり
あらゆる建築材として、この国の礎を支えている。
僕の住む家も例外ではなく壁から床から柱から全てが豆腐でできている。
歴史の先生曰くほんの百年ほど前までは石や木で作られていたと言う。
信じられる?
そして、かく言う僕も豆腐屋である。
とはいったものの、別に自慢できるわけではない。
今や、豆腐の生産工場は全国各地に溢れている。
一家に二人は豆腐屋というレベルらしい。
それでも、供給は未だに追い付かないらしい。
そりゃまぁ豆腐だもの。
先日入った飲み屋のテレビで新しい国会議事堂の様子が映し出された。
もちろん、豆腐製。
それ以外に何があるというのかね?
そのあとにちらりと映った国会の映像では豆腐について熱い討論を繰り広げていた。
ときたま、白いのが飛び交っていた気もするが、飛んでった先が映らないので確認はできない。
うん。今夜は湯豆腐で一杯やるとしよう。
最近、職場に新しい豆腐製造機が導入された。
そして、今まで使っていた豆腐製造機は老朽化のため処分されることになった。
処分前日、古い機械を丁寧に整備する先輩の姿がいた。
「今まで、こいつにはさんざん泣かされてきたけどよ。それでも、一緒に働いてきた仲間だからよ。汚れたまんまってのは可愛そうだからな」
僕にはその言葉の意味はわからなかったけれど、先輩を手伝うことにした。
業者が来て、引き取っていく様子を見ながら、先輩は泣いていた。
僕にも、いつかそんな気持ちがわかる日が来るのだろうか?
僕の住んでいる場所は古いアパートの2階にある。
階段を昇って、部屋の前に辿り着いたとき、僕は鍵がないことに気がついた。
職場に忘れてきたかな?今から取りに帰るのも面倒だ・・・。
僕は周りを確認すると、近くの手すりに使われている豆腐を千切りとった。
鍵の形は覚えているので、ぐにぐにと形を整える。
そして、鍵穴に・・・。あれ?
単に鍵をかけ忘れて出掛けていただけだった。
そして、後日大家さんにすごく怒られた。
僕の職場にインターンシップで高校生がやって来た。
そして、何故か僕が案内役に。
マジですか・・・。
やってきた高校生は二人。
なんかすっごくキラキラしてる。
若いってスゲーなぁ。
急な増産依頼が入った。
どうも、豆腐を運んでいたトラックが事故を起こして
中の荷がダメになってしまったらしい。
24時間態勢で豆腐を作る。豆腐を作る。豆腐を作る。
豆腐屋は今日も忙しい。
追伸
こんな大きな事故で死傷者0なのも豆腐社会あるある。
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