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慣れている自宅で、のんびりお留守番
猫ちゃんのお世話の出張訪問いたします。
千葉県松戸市の、猫専門ペットシッターねこ松です。
対応エリア: 松戸市全域
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こんにちは。ねこ松です。
予約状況以外のブログを久しぶりに書きます!
「猫のボディランゲージ」について。
「イカ耳」や「シッポを振ったら怒っているサイン」など、聞いたことある方もいらっしゃるかと思います。
お世話報告のやり取りでも、たまにご指摘があります(「イカ耳になっちゃってますね」とか)。
実は、言われてはじめて「ほんとだ!」と気付いたりします
なぜかというと、私がボディランゲージを見る時は「イカ耳かどうか」にはまったく注目しないから…。
じゃあどこ見てるんだよ、というと、
こんな感じです!!
実際には、行動パターンの個体差や、猫と私の距離や位置関係、猫と私の間の遮蔽物の有無などもめちゃくちゃ関係してきます。
なのでこれ一枚で網羅という訳ではないのですが、大体こんなイメージでやっています。
私にとって「ボディランゲージを見る」とはつまり、「"いま、その猫はOKな状態なのかそれともNGなのか"の判定をする」ことです。
それ以上でもそれ以下でもない。←これとても重要です。
こういう仕草をするのですが、この子は何を考えているのでしょう?
たまにこんなご質問を頂きます。
私に「分かんないですねぇ…」とか「何でしょうねぇ…」とか、言われたよという方もいらっしゃるかもしれません(すみません)。
その他の背景をヒアリングして、「良い状態」「悪い状態ではなさそう」「たぶんここに問題があるのでこう直してみては」程度のことがやっと言えます。
それくらい、ボディランゲージは「考えていること」を知る手段ではないし、してはいけないと私は考えています。
私はその子自身ではないので、気持ちを代弁した時点で言い方悪いですが「嘘」「脚色」「創作」「事実の捻じ曲げ」になってしまうと思っています。
…と、大層なことを言っていますが。
お世話報告では様子が想像しやすいように「ルンルンで〜」「不思議そうな顔で」とか、ちょっと盛って書いたりはしています
でも、その猫さんの状態を捻じ曲げて(例えばNGの状態なのに、あたかもOKの状態であるような報告をするなど)はもちろん良くないです。
はい、話を戻します
例えば尻尾をピーンとして、ふらふらスリスリしながらこっちに歩いてくる子がいたら、「あ、OKなのかな」と思う。
少し離れた距離で歩いていた子が、こちらを凝視して立ち止まったら、「あ、NGかな」と察して、こちらの顔や体の向きを変えたり、距離をとるなり隠れるなりする。
それだけ!!!!!!!
スリスリして甘えてくるのに、撫でていると(撫でようとすると)すごく怒るんです
ポジティブな反応でも、興奮させ続けると攻撃行動が出てきます。
この表にある行動はシームレスで起こるので、スイートスポットの壁を超えた途端の「豹変」っぷりに驚いたり、理解できないと感じるかもしれません…。
私は、おうちで過ごす動物たちにとって「興奮」は必ずしも良いとは限らない。と考えています。
なぜかというと、それを猫の望む形で発散させるための環境を、用意してあげられないことがほとんどだからです。
飼い主さんの「最大限まで喜ばせちゃお〜」という気持ちもすごく分かるのですが、「スイートスポットで居続けさせる」ことを目標にすると、お互いにハッピーな時間をさらに増やせると思います。
そして、この表を見ながら考えると、質問者の猫さんは「別に怒ってはない」ことも分かりますよ。
事実は、「座標が右から左に移動しただけ(興奮度を上げすぎてしまっただけ)」。
次からは撫でる時間を短くしたり、手のひらでがっつり撫でるのでなく、手の甲や指を1-2本だけ使ってなでるなど、刺激を軽減すると良いのかもしれません。
撫で撫での途中で攻撃する猫さんへの対処法。
「パタパタと尻尾を振ったらやめどき」というのは知られていますが、尻尾を振りまくって撫で続けてほしがる子もいますし、尻尾振らないで急に攻撃という子もいます。
しかしどんな子でも、攻撃前には撫でている手を必ず見ます。
撫でながら、猫の鼻の向きに注意します。
鼻の向きが変わったら(手の方向へ向いたら)サッと手を引きます。
もし、間に合わずに咬まれたり猫パンチされた時は、声をあげたり動くと余計に猫さんを刺激してしまいます。
私は目をつぶって(怖いので…笑)、手の形と位置もぜったいに動かさないで、猫さんが落ち着くのを待ちます。
しつけで、咬まれたら咬み返せとか、拳を口の中に入れろとか見ますが…?
お世話をしていて、たまーに、どんなに気をつけても大パニックを起こす猫さんがいます。
すごい大声を出すし猫パンチしてくるし非常に怖いです。
そんな時は「私がこの猫に殺されることは、まずあり得ない!!!」と自分に言い聞かせて、落ち着くまでは木のように微動だにしないことにしています。
猫に対して「やり返す」「お互いさま」 と考える時、たぶん私たちは猫さんとの距離感が近くなりすぎてるのかもしれません。
友達とか家族ならむしろありでしょ?的な。
でも、客観的に考えてみてほしいです。
猫って大体5kg前後です。人間が50kgくらいと考えても、10倍の差。
さっきの状況、私さえその気になれば「この猫が私に殺されることはぜんぜんあり得る」のです。
この時点でまったくフェアじゃない勝負が始まってしまっているのです。
そう、大騒ぎして攻撃的な猫ほど「殺されるかもしれない!」というとんでもない恐怖に晒されています。
そしたら、やるべきことは「殺さないわよ」と態度で示すことではないでしょうか。
叱ったりしつけようとしたりすることじゃなく。
猫と仲良くなりたいなら「やり返す」という考えなんか捨てちゃいましょーーーー!!!!!
今更ですが、これらは飼い主さんやペットシッターが普段通りにお世話をすることを想定した対処法です!
動物病院や保護活動の状況下ではあまり役に立たないと思います。すみません…!
鳴き声で何かわかる?
ここまできたら鳴き声についても書きますか。
ただ、個体差が大きいので、OK/NGの判断材料としては、私はあんまり重要視していません。
滅多に鳴かない子が鳴いたときは、一応飼い主さまへ報告します(普段はどうなのかの確認)。体調に異変がある可能性もあるため。
たまにいますが、スリスリしても撫で撫でさせてくれても、顔を見ながら、ニャアーーーーーーーーーーーーと
音量をあげてくる子は、注意です。
ニャアーーーーーーーーアアアアアアアアアアア゛(猫パンチ)!!!!!シャー!!!!(捨て台詞)
となる可能性があるので、それ以上刺激しないようにします。
(具体的には目をつぶって眼球を守り、覚悟を決める)
遠くで目が合ったり、離れたところでウロウロしている猫が、「んーにゃっ⤴︎」とか「うrrーにゃっ⤴︎」と鳴いている時は、OK。
離れているということは、撫でてほしいまでじゃないんだろうけど、注目を浴びたくて鳴いてみたのかな?という印象です。その場で鳴き真似だけ返してあげると、猫さんのほうが「おお…(通じた!)」みたいな顔になるので面白いです
ボディランゲージだけを見ていてもだめ
表には載せていませんが、嫌悪刺激に対する生物の反応は「逃避」「攻撃」「学習性無力感(うつ)」の3パターンだと言われています。
「攻撃」は分かりやすいですが、「逃避」…猫が逃げようとすることに関しては、結構軽視というか、見落とされている気がします。
なんなら面白がっている飼い主さんさえ、SNSなどで見かけます(抱っこしている猫にチューしようとして、猫は嫌がって顔を逸らしたり手を突っ張っているのに続行する。最後は猫パンチされて、ワハハ!みたいなやつ)。
なーんも面白くないね〜〜〜。
学習性無力感は、普通に暮らしている猫さんがそこまでになることはないと思います。
ただ、表の右下のように「その猫にとって明らかにストレスとなる状況で、隠れない、攻撃もしない」というのは、かなり心配です。
加齢によって、来客が苦手だった子が気にしなくなるケースもあるにはあるのですが…。
私ならできるだけ早く動物病院へ連れて行きます。
病気や怪我をしていて、嫌悪刺激を回避や攻撃することができないのかもしれません。また、感覚器に異常があるという可能性もあります。
これは、猫そのもの(ボディランゲージ)だけを切り取って見ても気が付けないことです。
猫さんが何が好きで、何が嫌なのかを知っている必要があります。
そして、それを知るためには、ボディランゲージを読み取る力が大いに役立ちます!!ややこし!!!
もしここまで文章を読んで頂いていた方が、「もう無理〜。分かりっこない〜」という感じでも、それでぜんぜんOKです!!
「分かりっこない」それこそが真実なので…。
かわいい。