レビューの続きです。

今回は番組を観て、

思うところがたくさんありました。





現代美術といえば、この人!森村さん!

近所の知り合いみたいに言いました笑が、

セルフ・ポートレートで名画を

トレースする作品が有名な

現代美術家の森村泰昌さんの作品もありました。

今回は、芸術で中国社会を変えようとした

魯迅に扮していました。


あと、2021年に亡くなられている

画家の富山妙子さんの作品も気になりました。

初期は、日本の炭鉱をテーマにした

油絵作品が多かったのですが、

韓国の民主化運動にテーマを移し、

光州事件を基に作られた版画作品

「光州のピエタ」は代表作となりました。

晩年は東日本大震災、とりわけ原発を

テーマに作品を描かれていたようです。


99年の生涯を通じて、アートで社会に

問題提起をし続けてきた気骨のある女性です。

今の世界は、富山さんの理想の世界に

少しでも近づいたのでしょうか?

これからも、今まで見たこともない問題が

社会には噴き出てくるのでしょうが、

富山さんがまだ生きていたら

どんな絵を描いていたのか、

気になるところです。


最後に紹介するのは、

ベルリン、ニューヨーク、ウクライナで

活動するアーティストが

合同で制作した衝撃の映像作品です。


ウクライナの人が

さまざまな兵器の音を口で再現し、

「リピートアフタミー」と言う内容なのですが、

これは、戦時下のウクライナで

国が配布した行動マニュアル冊子に

掲載されていた

「音で兵器を聞き分けて

いかに行動するかの手引き」を

基に作られています。


これは、戦争で明日、

ここで生きていられるかもわからない人から、

戦争がいつかやってくるかもしれない人への警告。

こんなの、聞き分けられるようになんか

誰もなりたくない。

でも、これができるかできないかは

生死に関わるとても重要なこと。


この矛盾や異常な事態で苦しんでいる

人たちの存在を感じて、

「いま、ここで生きてる」私たちは

何をするのか、

問われているような作品でした。

私は空爆を受けている映像を見るより

この映像作品のほうがショックでした。


美雨さんもちょっと顔が疲れていたような。。。。

でも、現代美術を観ると実際疲れるんですよ。

作品に込められている思いが重過ぎて。


古典美術でも

戦争や社会問題を扱った作品はありますが、

一瞬グッときても過去の事象なので、

言い方悪いですが「ふーん」「なるほど」

くらいで終わらせられるんですよね。

でも、現代美術だと

リアルタイムで起こっていることが

テーマだったりするので、

どうしても他人事で片付けられない

心のモヤモヤが残りやすいというか。


なので、

癒しを求めて現代美術展なんか

行ったら痛い目見ますので、

気を付けてください。

逆に、幸せゆるみしてるときに

行くのはいいかもしれません。

人生にピリッと良い刺激をくれます。