録画してたけど観れてなかった
日曜美術館の過去放送をイッキ見しました。
その中で気になったものを
とりとめなくレビューします。


まなざしのヒントシリーズの「浮世絵」回。
漫画家のしりあがり寿さんが出ていて、
「浮世絵は
絵の対象物をパターン化して描いている。」
と言っていて、すごく納得しました。

浮世絵は
画面の中にバランス良く収まっていて
スッキリして見えるところが、
見ていて気持ち良いので好きですが、
それが「パターン化」によるものだとは
思いつかなかったです。
絵というよりもデザインに近いから
あんなにスッキリして見えるんですね。

版画繋がりで言えば、棟方志功も
「版画で絵と同じことをしても意味ない。
だから、デザイン化する。」
と話していました。
私見で「棟方志功の版画はピカソみたい」
と思っていたら、やはりゲルニカを見て、
触発されていたようです。

棟方志功はゴッホが好きで有名ですが、
青森出身者らしく「ねぷた」や
旅行で見たトーテムポールなどが
作品の土台にある気が私はしていて、
それが作品を唯一無二たらしめているものだと感じています。

アートに限らず、
ルーツと環境がもたらす変化が
混ざり合うとおもしろいものができる
のは世の常かもしれません。
だからか、「変化をおそれるな」とは
よく言ったものです。

また、しりあがりさんは
「変な言い方だけど、
線の目的は、線が見せなくすること。
見せたいものに変化させること。
『線がある』と思わせちゃいけない。
線はノイズ。漫画も同じで、
線は『雨』や『髪』、『鼻』や『顎』に
ちゃんと見えることが大事。」
とも言っていました。

日本画は線を楽しむものだと
思っていましたが、
その線すらも
「線」に見せちゃいけないとは😅
描き手としての職人気質を感じますね。

江戸時代は
ベストセラー「東海道中膝栗毛」などの
町人文化が花開いた時期。
現代の女性ファッション雑誌のように、
江戸庶民のリアルを少しデフォルメして、
皆が憧れるような美を提供したのが
浮世絵だったそうです。

約260年にもわたる平和な世の中が
続いたことで、武士以外の身分の人も
学問をすることができたことが
文化形成に大きな影響を与えているようです。
やっぱり生活に余裕がないと
市民文化は育たないんでしょうね。

暗いニュースがあるといえども、
まだ幸せな時代に生きていることに
感謝しつつ、せっかくなので
その恩恵を充分に楽しむとしましょう♪