で触れていた中学校の時に遭遇したとある事件について簡単に書いて行きます。
今回の記事は式場様の紹介とは全く無関係な話なので、ご興味無い方は読まれなくても全然OKです。
月野は生まれつき髪の毛が少し縮れており、色も周りの子供達と比べて赤みを帯びていました。
その為に、よくある話ですが、幼稚園・小学校・中学校と、格好のイジメの対象だったのです。
中学生になった時に、その事件は起きました。
元々先輩達からも帰りに待ち伏せされては、髪を切られたり真冬に水を掛けられたりといった事はあったのですが、遂に学年主任のとある問題教師に目を付けられてしまいました。
※男子の先輩三人に髪を切られた時点でもう既に男性不信でした。
中学2年生を目前にした2月のある日。体育の授業中に問題の事件は起きました。
少し縮れた赤毛という外見のみならず、超が付くほどの運動音痴だった月野は、見事に平均台から滑り落ちました。
その時の体育教師が例の学年主任であり、しかもこの学年主任は、直ぐに生徒に暴力を振るう問題教師として学区外でもある程度有名になっていた位です。
その学年主任の体罰は、誰が見ても注意や叱責の範疇を超えており、10人中10人が「コレは完全に単なる一方的な暴力。やり過ぎ。」と回答をする程でした。
令和の今なら確実に父兄さん達から吊されて即刻懲戒免職になるレベルですが、平成10年以前の当時は未だ昭和の理不尽な体育会系の空気が残っていた為、こうした暴力教師でも中々社会問題になりにくい環境だったのです。
平均台から落ちた月野を介抱などするはずも無く、いきなり
「この〇〇たわけが」
と怒鳴りながら月野の胸ぐらを掴みます。
「テメーがいつも虐められんのは、テメーがみんなと違うからなんだよ!もっと周りと同じになれる様に歯ぁ食いしばって努力しいや!!」
そう咆哮しながら月野の顔面左に強烈なストレートジャブを加えました。
ゴリっともピキッともいう嫌な音が月野の左こめかみ辺りから聞こえます。左頬から頭左てっぺんまで痺れが来たかと思ったら、左目に強烈な痛みが襲いました。
うずくまったまま何時までも立ち上がろうとしない月野を見て、流石にクラスメイト達数人が保健室の先生を呼びに行ってくれました。
保健室の先生と月野達のクラスの担任も駆け付けてきます。
保健室の先生は月野の左目を見るなり血相を変えて月野の担任とクラスメイトに
「直ぐに救急車呼んで手遅れになる。そして月野さん(仮名)のお家の人にも連絡して」
救急車で地元の救急病院に運ばれた月野は直ぐさま脳を含めた顔面のCTを撮られました。
結果は左目眼窩底骨折です。
月野を診察した地元の救急病院の医師は、月野がもうある程度事態を把握できる年齢だと判断し、以下の説明をしました。
①直ぐにでも手術をしないと左目は確実に失明する事。
②手術をしても左目の視力が元通りに戻る確率は低い事。
③将来就ける職業が限られてくる事。
失明だけは絶対に嫌だったので月野は今すぐにでも手術をする様その医師に懇願しました。
しかしながら、地元の救急病院では設備が不十分な事と二次成長を迎える前の未成年の眼科手術ができる医師がその病院には在籍していない事から横浜市にある某大病院に転院する必要がある、と言われたのです。
つまり地元の救急病院では手に負えないという事でした。
やがて月野の家族も呼ば れて月野の左目の状態や横浜市の大病院で手術を受けねばならない事の説明がありました。
絶望的なまでに運動音痴なのに何故か月野を警察官👮♀か消防士👩🚒にしたがっていた父は多いに落胆していたのをよく覚えています。(中学1年まで、剣道・柔道・水泳教室に通わされていましたが、見事に何一つ身についていません)
月野は二回の手術を経て何とか失明だけは免れたものの、左目の視力は著しく下がってしまい、20年以上経った今でも視力は元に戻っていません。
鬼滅の刃の栗落花カナヲちゃんやNARUTOのうちは兄弟の様にチートな能力と引き換えの視力低下なら未だ格好良いのですが、月野の場合は原因が教師による理不尽な暴力ですからね・・・
それからの月野は、見事なまでに男性恐怖症と人間不信に陥り、1年間の不登校のオマケも付いてきました。
例の問題暴力教師は、月野が中3になる年に他校へ異動となり月野達の学年が受験生のシーズンはもう関わる事はなかったのですが、何故か懲戒免職にはならなかったのが不可解です。
月野がこのまま不登校を続けるのを危惧した両親の勧めで私立の女子校に進学する事になりました。不登校が原因で勉強が遅れていたので、中3の一年間は勉強が本当に大変でしたが、女子校に進学できたのは良かったですね。
この様な理由から月野は長い間男性恐怖症に苦しんでいました。