お久しぶりです。先日の現代文のテストで、さらさら解く気がなかった私は、テストのある問題で扱われた群島論に関する評論文をぼんやりと眺めながら、この曲の解釈について考えていました。今日のブログは現代文の成績を犠牲にした結構な力作です(笑)。
今夜ご紹介するのは、アメリカのバンドであるTOTOの1982年のアルバム『TOTO Ⅳ ~聖なる剣』に収録された「Africa」です。
まずは曲を聴いていただきましょう。
https://www.youtube.com/watch?v=FTQbiNvZqaY
TOTOのメンバーは誰もアフリカに行ったことがなかったのですが、ユニセフのCMか何かを見てこの曲を思いつき、「想像上のアフリカ」を歌っているんだということです。「ユニセフのCMを見て」というきっかけは、解釈するうえである程度重視しました。
続いて、難解な歌詞についてです。すでにいろんな方がブログで和訳を取り上げていますが、今回も自分で頑張って訳してみました。
I hear the drums echoing tonight
(今宵、太鼓の音が響いているのが聞こえる)
But she hears only whispers of some quiet conversation
(でも彼女が聞いているのはは、ささやくような静かな会話だけ)
She's coming in, 12:30 flight
(彼女は12時半の飛行機でやってくる)
The moonlit wings reflect the stars that guide me towards salvation
(月の光に照らされた翼が星を反射し、僕を救済へと導いている)
I stopped an old man along the way
(僕は道で老人を呼び止めた)
Hoping to find some old forgotten words or ancient melodies
(忘れられた古い言葉か、太古のメロディーを見つけたくて)
He turned to me as if to say, "Hurry boy, it's waiting there for you"
(彼は振り向いた、「急げ、少年よ。それはお前をそこで待っているぞ」と言うかのように)
It's gonna take a lot to drag me away from you
(君から僕を引き離すなんて相当大変なことだ)
There's nothing that a hundred men or more could ever do
(たとえ100人がかりでも、いや、それ以上でもできないだろう)
I bless the rains down in Africa
(アフリカに降る雨に感謝します)
Gonna take some time to do the things we never had
(今までやったことのないことをやるには、少し時間がかかりそうだ)
The wild dogs cry out in the night
(野生の犬が夜中に吠えている)
As they grow restless, longing for some solitary company
(不安を募らせながら、何か孤独な仲間を求めるように)
I know that I must do what's right
(正しいことをしなきゃいけないのはわかってる)
As sure as Kilimanjaro rises like Olympus above the Serengeti
(セレンゲティに、キリマンジャロがオリンポスのようにそびえるほど確かに)
I seek to cure what's deep inside, frightened of this thing that I've become
(僕は奥深くにあるものを治そうとしているんだ、自分の有様を恐れながら)
It's gonna take a lot to drag me away from you
(君から僕を引き離すなんて相当大変なことだ)
There's nothing that a hundred men or more could ever do
(たとえ100人がかりでも、いや、それ以上でも無理だろう)
I bless the rains down in Africa
(アフリカに降る雨に感謝します)
Gonna take some time to do the things we never had
(今までやったことのないことをやるには、少し時間がかかりそうだ)
Hurry boy, she's waiting there for you
(急げ、少年よ。彼女はお前をそこで待っているぞ)
It's gonna take a lot to drag me away from you
(君から僕を引き離すなんて相当大変なことだ)
There's nothing that a hundred men or more could ever do
(たとえ100人がかりでも、いや、それ以上でもできないだろう)
I bless the rains down in Africa [繰り返し]
(アフリカに降る雨に感謝します)
Gonna take some time to do the things we never had
(今までやったことのないことをやるには、少し時間がかかりそうだ)
ここまではおおむねそのまま訳しました。ここから少し解釈を加えていこうかと思います。
二人の「彼女」がいるんじゃないかという仮説を前にどこかで聞きましたが、僕は素直に"Africa"はアフリカ、"she"は人間の女性ととらえようと思います。ただ、サビに登場する"you"は人間ではなくアフリカそのものとして考えてみます。
最初から考えていきます。12時半の飛行機に乗ってくる女性は主人公の恋人でしょうか?この飛行機の翼が「私」を救済に導いているということは、彼女が来ることが私を救済に導いていると考えられます。考えられるストーリーはこんな感じです。アフリカに来た主人公は、そこで見聞きし、体験した厳しい現実に心を動かされ、アフリカにとどまり諸問題の解決に力を尽くすことを決心しました。母国に残してきた彼女はこれを聞き、自分もアフリカに来る決心をします。これは主人公のアフリカでの活動に物理的、心理的な救済を与えます。
次に登場するのは「急げ、少年よ」というかのように振り向く老人です。古い言葉や太古のメロディーを探し求めて呼び止めたのにそう言われたということは、アフリカを「まだ見ぬエキゾチックな文化の集合」として消費する前に「支援が必要な、切羽詰まった状況にある場所」であることに気づけというメッセージが込められているのかなあと思いました。
サビの「I bless the rains down in Africa」というのは「アフリカ」=「ユニセフのCM」から着想を得た曲であることを考えると、干ばつに苦しむアフリカへの救いの雨ということで間違いないでしょう。そう考えると、彼はアフリカの干ばつとか、飢餓など諸問題から人々を救おうとしていることが明らかになります。彼が100人がかりで引っ張ってもアフリカから離れられない理由はそこにあるでしょう。
2番では、前半は自分の決心を確かめながらも不安に駆られている主人公の様子がわかりやすく描写されています。ただ、地名は位置関係がおかしく、これが想像上のアフリカであることも明らかになります。
サビは1番と同様です。
その後、もう一度"Hurry boy"と出てきますが、待っているのが1回目は"it"だったのに今回は"she"です。これが「she 実はアフリカ説」が出てきた原因かと思います。しかし私はここは素直に「彼女が待っているから急げ」という意味だと捉えました。彼女も決心をしてアフリカに来ているわけなので、ボケっとしていると彼女に意欲、実績とも追い抜かされてしまうぞと言うことでしょうか。
このような解釈の元改めて全体を眺めると、1組のカップルが、「アフリカの現実を知り、それにより行動に移る人々」の縮図として描かれていることになります。この曲は1982年のものですが、USA for AfricaとしてWe Are The Worldが発売されたのは1985年、当時アフリカの飢餓が深刻化していたことは確かです。
ただその曲調やMVには、歌詞の中で老人に否定された、まだ見ぬエキゾチックな文化の集合としてとらえている感じが出ています。これは当時のアメリカにあったアフリカに関する情報の量や切り口から考えたら自然でいたし方のないものかと思います。実際今の僕らもアフリカに関することなんてこの曲に描かれるような漠然としたことぐらいしか知らないのではないでしょうか。
最後はLIVEでの演奏をお聞きください。
https://www.youtube.com/watch?v=GU_1t8kK6wA