ネコたちはそれぞれ馴染みはじめていました。

ただ、わたしは非常に具合が悪くなってしまったのです。

いま思うと、深刻な鬱の症状でした。引っ越し先に訪ねてきたシスター方は、なにかお土産を渡してくださいましたので、冷蔵庫に入れて、わたしは手製の和菓子をお出ししました。

シスター方は本当にご不満な表情でにこりともせずそれを食べました。

そしてわたしに
「あなた子守りはしたことあるの?ないでしょうね」と言うのです。

子守りをした経験がなんだというのでしょう。それをいうならシスターは子どもを産んだこともないではありませんか。

わたしはどうして、女子セネカ会のシスター方からこんな意地悪をされなければいけないのか分かりませんでした。

後で思うと、持ってきてくださったお土産を一緒に食べたかったのかもしれません。でも、それならそうと、「一緒に食べましょう」とおっしゃってくださればいいのです。なにもわたしの手製の和菓子を意地悪なおしゅうとめさんのように、苦虫を噛み潰したようなお顔でたべるなど、そんなれいを失する態度をとることはないはずでした。

とにかくわたしはこの事件である意味打ちのめされました。
いかにシスター方がわたしを嫌っているかが心のそこから分かったからです。