私がよく登る鈴鹿の山々には特別天然記念物である日本カモシカがたくさんいます。法律によってカモシカを獲ることは禁止されているのでかなりの数になってしまったようです。獲ってよい猪などは滅多に目にしませんがカモシカは注意していれば見つけられます。


カモシカの通常の動きはゆっくりしています。牛の仲間だというのもこのゆっくりとした動作からうなづけます。ただ、バランス感覚には極めて優れていて細い木にこの体で乗っかって平気な顔をして木の実を食べているし、断崖絶壁のナイフリッヂの上を走ったりもできます。


上のカモシカ君とは数分間にらめっこが続いた後、ゆっくりと歩き始めたので5mほどの距離を保ちながら尾行してみました。ゆっくりと見えるその動きは実はパワフルで、10mぐらいの崖など一瞬のうちに上がってしまうのでかなり苦労しつつも何とかついて行くことが出来ました。


カモシカ君は時々私のほうを振り返り、そのたびに動作を止めにらめっこ状態になっていました。


しかし、私が余りにも執拗に追いかけた為か、ついに鼻息を荒くし目の色も変わってきて攻撃的な姿勢を見せてきました。相手は角を生やした大型哺乳類。捨て身で襲い掛かられたら人間などひとたまりもないでしょう。



私はそっと後ずさりして立ち去る他ありませんでした。