人は信じないので困るのだが、野性の動物はかなり特殊な能力を発揮して侵入者に対して執拗な攻撃をしかけてくる。具体的に言うと、小型の哺乳類のほとんどは、擬態と擬声の能力が極めて高い。その上、(こんなことを書くと某宗教と同じであると思われるかもしれないが)弱い電磁波を出して、侵入者の脳を攻撃したりする。


まず擬態の話。

私は、ビバークの準備はまだ十分明るいうちに行って、時間に余裕を残して夕食の食材を探しに行く。当然帰りには薄暗くなってしまうが、このときいつも見てしまうものが「妖怪」。ヌラヌラと長細い物が飛び跳ねながらあっという間に視界から姿を消したり、何者かの気配だけがずっと後を追い続けてきたり、巨石と比して同等な大きさを持つ黒いもの複数フワフワと戯れていたりするのを見るのである。薄暗い中なので写真には上手く写せないのが残念であるが、これらの妖怪は全て小動物の仕業である。先の例の1番目はカワウソ(注)が3匹ほど縦に繋がって跳ねているのだし、2番目は山猿の偵察部隊に後を付けられているのだし、3番目のはオコジョが虫の好きな臭いを出して無数の昆虫をいっぱい集めているのである。


2番目の例が擬態か否かは異論があるだろうが、対人間的には完全に気配を消すことのできる物が敢えてやたら騒々しい明らかな気配だけ残すのも擬態といってよいだろう。1,3番目の例は「何を模しているのか」と言われれば返事のしようがないが、「不気味なもの」、ある程度知能の発達したものが「不気味」と感じるものを演じているのだ。


(注)ニホンカワウソは山奥にはまだいる。詳しいことは続編④に記載。


(②に続く)