樹液を吸う蛾は分をよくわきまえている。
カブトムシやクワガタムシ、オオスズメバチやキイロスズメバチに混じって、他と争うことなく満足するまで樹液を吸っている。
蛾は羽をたたむと紙のように薄くなるから他の邪魔にならない。それで、他から樹液の占有を巡って攻撃されることがないのだ。
この話を聞いたか読んだかしたのは小学生のころ。
基本的に争いごとが嫌いだった俺は、「この蛾のような生き方をしたい」と強くおもった。
大型甲虫類や殺人蜂は攻撃性に満ち溢れた生き方を選択せざるを得ず、「疲れる生きかたやな、阿呆の生き方や」とすら感じた。
様々な競争関係に曝されざるを得ない社会人となった今でも、基本理念は変わらない。
だから、アメリカ人とか中国人とかは何となく嫌いだし、無駄に大きい車を運転する者だとか、威圧的な役人とかは気色が悪い。
しかし、「こいつら阿呆やから何するかわからへん」と思うだけで、逃げたり隠れたりはしない。樹液を吸う蛾のように、阿呆の傍らで邪魔にならないように蜜を吸い続けるのである。
デイトレでも、このスタイルを貫いたほうが性にあっているのかもしれない。