ふと耳にしたことがある。



同じ魂レベル同士の人間の浮気というものは、

所詮お遊びで済むし世間も騒ぎ立てないが、


大抵、格下とそういうことをするから世間様に露見するのだと。


根も歯もない理論だが、何故だか妙に腑に落ちた。





"ぼくのせいで大変な思いをさせてごめん。"

決して本心でなくとも、この一言すら言えない男に託したい未来は、1ミクロンもない。







浮気相手の話しを周囲にしたら、

しょうもない奴と浮気したな、ほんとに馬鹿だよ君は、本来は賢いはずなのに、と

呆れながらも笑ってくれた。






僕は悪くない、僕は弱い、でも僕は悪くない、君は不義理だったから、僕の決断力の弱さは罪ではない、だって君は待ってくれると言ったよね?だから僕は、僕は、僕は……



ご自身が何よりもかわいいのは理解した。

マスターベーションは他所でやっていただきたい。





ただ、周囲の価値観はさておき、

彼が、私の人生の登場人物の中で、圧倒的に人としての魅力に欠けてたのは事実だ。

闘うべき場面で、闘いを避けてきたのか、

闘うことをせずともぬるま湯に浸かりながら脳死でこられたのか。



皮肉なことに、命を掛けた闘いをずっと続けてきた私の人生において、

やっすい肉一切れごときで、こんなに腹を下すこともあるのか。



そして、そんなしょうもないことに苦しんでいる状況でも、

ずっと背中をさすってくれる優しい者もいれば、

遠くから呆れながらも、

こちをじっと愛おしい目で眺めている者もいる。





吐き出した肉は、まだ自身の保身に奔走しながら、

便器の中をぐるぐる回っているのだろう。

失恋したからと呑気に泣きながら。




泣きたいのはこっちの方だ。

泣く暇すらも与えられなかった。




田舎出身の、方言も抜けきれない女が築き上げた人生にしては、上出来な結婚生活だったと自負している。


港区の100平米越えの低層高級マンションの最上階に住み、最近BMWからポルシェに買い替えた車に乗り、保護猫をかわいがった。




そして、たまたま恋に落ちたひとが、たまたまお金持ちで、彼も心底愛してくれて、とんでもなく幸せな結婚生活だった。



断じて、この愛と富に満ち足りた結婚生活は、簡単に再現できるものではないことは確かだ。






人生の出来事には何かしらの意味があるらしい。




あの出来事が私に教えてくれたこととは?

格下と関わるべきではない、ということか。




ともすれば、とてつもなく高額な勉強代だった。



わざわざ教えてくれてありがとう。










今後はもっと賢く生きて行く必要がある。

これ以上、愛すべき人たちを傷付けてはならないし、




私を愛してくれている人らに

微力ではあるが少なからずとも影響力がある以上、彼らを守る責任が私にはある。




人生を掛けた大恋愛をした相手をぐちゃぐちゃに傷付け、やっと開眼した価値観がある。





対人関係は鏡だと、よく言ったものだ。



生き急ぎたくもなるが、



慎重に、心眼を開いて物事の本質を見極めなければならない。