「簡易バイス」の位置調整について
穴開け加工の開始時に、ケガキ線の穴の中心にドリル刃が正しく入る様に、加工対象を固定した「簡易バイス」の位置を調節します。 バイスの位置調節をするためには、「卓上ボール盤」を後方に倒して、ベース裏面のバイス本体の「固定ナット(固定ネジ)」を緩める必要があります。
バイスの位置調節は少々手間な操作です。
① 後傾したベース上のバイスがズリ落ちない様に保持しながら、適度に僅かに「固定ナット」を緩める。
➁ ボール盤を水平に戻してバイスの位置をずらし、刃先の位置を微調整。
➂ 再度ボール盤を後方に倒し「固定ナット」を締める。
④ ボール盤を水平に戻し、刃先を回転させてケガキに当てて位置をチェック。
➄ 本番の穴開けを開始する。
時には、 ①~④ を繰り返すことがあります。
①で「固定ナット」を緩め過ぎると、それまでの位置が大きくズレて、調節を最初からやりなおすことになります。 なので、ある程度の力を加えるとバイスがズレるという、微妙な「半固定」の状態にしなければなりません。
「卓上ボール盤」を使い始めて、「簡易バイス」の位置調節をし易くすることが絶対に必要と判りました。 そのための改造案を色々と練りました。
最初は、「ボール盤を倒さずにバイスを固定したり緩めたりできる機構」をバイス内に組み込む事を考えたのですが、上手いロック方法が纏まりませんでした。 しかしバイスを改造せず、「固定ナット」にスペーサーを噛ませるシンプルな方法を思い着きました。
「固定ナット」の樹脂板スペーサー
下の写真は「卓上ボール盤」を後ろに倒して、ベースの裏面を撮影しています。 2個の大きなナットが、バイスを固定する「固定ナット」とワッシャーです。
2個のナットとベース裏面との間に、透明な2mm厚の塩ビ板が挟まっていますが、塩ビ板の下端に 5mm厚のスペーサーを取り付けています。 塩ビ板は、バイスの固定ボルトに応じて位置が変わり、バイスを移動すると、上の写真では下方に移動します。 バイスを上の写真の位置より上方に移動しても、ドリル刃が加工対象から外れます。 なので塩ビ板は、上の写真の位置から下方に20mm程度の範囲で移動できる形にしています。
この塩ビ板の下端に、5mm厚のスペーサーをベース裏面との間に入れているので、塩ビ板は緩やかに反って「固定ナット」を引き抜く力が働きます。 下は、塩ビ板が反っている様子です。
この塩ビ板のバネ力によって、「固定ナット」の「緩める ⇄ 締める」の範囲が大きく拡がります。 これはスプリングワッシャーでは得られないデリケートなバネ力です。
◎ 手でナットを締めた状態では、バイスは適度な「半固定」の状態になり、小径の刃なら、そのまま穴開けが出来ます。 これは微細な位置調節に丁度良い状態です。
◎ ナットレンチで「固定ナット」を締めると、バイスの位置を完全に固定できます。
今回の改造で「なかなか動かない半固定」、「動かし易い半固定」といった、段階的な「半固定」の状態を簡単に調節できる様になりました。 バイスの位置調節が大変にし易くなり、作業効率が改善されます。「卓上ボール盤」を利用されるユーザーにはお勧めの改造です。
「半固定」の状態を改善する「樹脂板スペーサー」の図面
下は、今回作った「塩ビ板」のサイズが判る図面です。
◎ 図の周囲に入れたケージは、1cm/目盛です。
◎ 樹脂板はアクリル・塩ビなどが適していますが、適度な反発力が得られる厚さが必要です。 リン青銅等の弾力がある金属板も、厚さが適していれば使用できます。



