書評「エリア51」アニー・ジェイコブセン著
何人かの方が書かれている通り、題名からUFOや
ロズゥエル事件への興味の延長線上で読み始めると
おそらく後悔することになるでしょう。
ただし、UFOなどへの興味から本書を手に取った人にも
最後まで読み進めさせてしまう面白さが本書にはあります。
結論から言ってしまえば、本書は極めてよくできた
アメリカの冷戦史です。米ソ冷戦史といっていいでしょう。
これまた多くの方が書かれていますが、
最後段に出てくる「宇宙人」の正体について
簡単に首肯できない部分もありますが、
それだけで本書の価値を決めてしまうのは
もったいないと思います。
米ソ冷戦下でアメリカがどう動き、その動きの中で
「エリア51」がいかに重要な役割を果たしたか、
この基地がアメリカの冷戦史の主要な舞台に
なっていたかが分かる良書だと思う。