書評「山口百恵」中川右介
著者による「松田聖子と中森明菜」には、その内容、手法、
文章力と感動した。今回の「山口百恵」もそのスタイルは
踏襲され、むしろより完成度を高めたのではないか。
この2冊を読めば、70年代から80年代前半の日本歌謡曲の
世界はほどんと分かるのではないか。
当時すでに成人していて、かなりの百恵オタクだった
ような人には物足りないだろうが、子どもだったり
青春期だったりと、当時を懐かしみ、
「またあの曲を聴いてみたい」と思うような人には
十分な一冊である。
当時生まれていないような人でも、日本の一時期の
文化的側面を知りたいような人には面白い仕上がりになっている。