福島原発事故独立検証委員会(2012年3月13日) | 仮面ノート

福島原発事故独立検証委員会(2012年3月13日)

 予想を裏切らない力作である。
内容も難しい事故を扱っているにも関わらず、

平易な文章で図表も極めて分かりやすい。
この調査、出版に携わった人々に敬意を表したい。


 日本には大きな事故が発生しても、それに多角的、
専門的にアプローチするという文化
がなかった。あったとしてもこういう形で公表するということはなかった。
その意味でもこの一冊は極めて意義のある一冊である。
この内容でこの価格はむしろ安い方だと思う。


 それにしても、どうして民主党政権や東京電力はこういった

報告書を作れないのか。
政府の中間報告のようなものは出ているが、一般の人に平易に、
手軽に手に届くところにはない。
民主党政権の事故対応を見れば、こういった報告書は自らの失政を

証明するだけで好意的にはなれないだろうが、

失敗を記録に残し、後世に継ぐことは歴史的責任である。
事故はまだ未完である。是非、当事者たちは本書に習って、
あの事故、そしてその対応の記録を残して欲しい。


 それにしても、あの日、あの時、民主党政権・菅政権だったことは
極めて不幸なことであった。